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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 図書館司書の働きがいと従業上の地位の関係――図書館司書へのインタビューを通して――
内容  近年、司書資格を取得していても、図書館で正規雇用されることは狭き門だと言われており、多くの人が非正規雇用で働いている。資格取得者数と、図書館職員として募集される人数を比べると、圧倒的に募集数の方が少ないのだ。非正規雇用は正規雇用と比べて待遇に格差があることや、スキル蓄積の不能が問題視されている。しかし非正規雇用として働く図書館司書は、先行研究で言われていることを不満として感じているのか、不満があってもその不満を超える働きがいや魅力を感じているからこそ、仕事を継続しているのではないだろうか。この考えに基づき、公共図書館で働く人々にインタビュー調査を行った。インタビューの結果を入職前の状況、司書の就業状況、研修制度、働きがい、ワークライフバランスという5つの項目にあてはめた。この5つの項目がどのような状況にあり、どういう時に働きがいを感じるか、そして継続要因に影響するのはどのようなことか、という関連性を考察していきたい。
講評 この論文は図書館で働く人々の働きがいについて検討するものである。方法は関西にある都市部の図書館を対象としたインタビュー調査で、対象者は行政の職員と共に働き、業務委託された非正規雇用の女性就業者である。図書館業務は利用者に直接接するカウンター以外にもバックヤードで行う業務もあり、それぞれの業務に働きがいがある。現在は、研修制度も整備され、非正規雇用であってもスキル向上の機会が与えられる。就業者は初職ではなく転職後の就業であることが多い。特に既婚者の場合、出産、育児後の社会復帰の場として、高学歴女性の就業の場となっていることが多い。他の時給のよい職種への転職を考えている人は少なく、知的労働者としての誇りを持って就業していることがうかがえた。この調査は図書館業務の管理リーダーの協力を得て、本来、一学生が調査をすることが難しいような図書館への調査機会を与えられ、貴重な情報が収集できた論文である。
キーワード1 図書館司書
キーワード2 非正規雇用
キーワード3 働きがい
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