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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 階層帰属意識における無回答層の分析
内容  本稿の目的は、階層帰属意識について、自らの帰属階層を問う質問に対して「わからない」と回答した無回答層に注目し、その社会的属性や無回答に至る理由を考察することである。分析では2005年に実施されたSSM調査のデータを用いて、どのような属性の回答者が「かりに現在の日本の社会全体を5つの層に分けるとすれば、あなた自身はこのどれに入ると思いますか」という質問に対して「わからない」と答えたのかを示した。分析の結果、「パート・アルバイトや派遣社員/あるいは低収入の男性」「収入のない未婚女性」「本人の年収が500万未満の既婚女性」において「わからない」と答えやすい傾向があった。また、客観的な地位と主観的な地位による階層帰属の回答率を比較し、客観的な地位のみが階層帰属の回答率に影響を与えることがわかった。
講評 この論文は人々が自身の社会的位置づけとして、社会階層のどのレベルにいると認識しているかということを問うた調査票の設問に対して「わからない」と回答した人々の社会的属性、またその回答の理由について検討をするものである。方法は保田論文が着目した「わからない」人分析の着眼点に依拠し、SSM(社会階層と社会移動)2005年調査データの二次分析を行う。分析の結果、男性は所得が多くなるほど「わからない」人が減り、女性は所得にかかわらず「わからない」人がある一定数いた。女性の場合、本人所得だけでなく、世帯所得が高い場合でも、自身の所得ではない場合、「わからない」に影響が見られた。そこで目に見える指標ということで、資格の有無で比較した場合、男女とも資格を持っている人の方がもっていない人より「わからない」と答える人が少なかった。社会階層研究は多くの研究成果が出されており、オリジナリティのある分析をするのはある意味、難しいが、最後に目に見える指標の有無という視点を考え出したところに本稿の視点の新しさがある。
キーワード1 階層帰属意識
キーワード2 無回答
キーワード3 欠損データ
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