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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 杉本 久未子
タイトル 想像の舞台としての社会風刺、宗教の「ネタ化」 ―『聖☆おにいさん』と『さよなら絶望先生』の描写から―
内容  本論文の目的は私たちの宗教、社会を捉える観点は実に曖昧である、ということを明らかにすることにある。今回は宗教、社会風刺の「ネタ化」をテーマに据えて、『聖☆おにいさん』、『さよなら絶望先生』といった宗教、社会風刺を扱った2作品における作者の制作背景、社会風刺的要素、宗教的要素の解釈の在り方、描写方法、「ネタ化」したものに対する読者の反応を分析することを行った。本研究を通して私たちが宗教や社会を語る際に自身の持つイメージに大きく依存していること、そしてそのイメージを基にした宗教観や社会観の形成において自身の「こうあってほしい」という欲望を投影していることを明確化した。
そして自身の欲望を投影した宗教、社会像を語り、それを用いてコミュニケーションを維持するためのコミュニケーションを行っている人々の姿を同時に見出すことができた。これにより宗教、社会像の形成を自身のイメージ形成に依存している、私たちの宗教観、社会観の曖昧さが見えてくる。
講評  「聖☆おにいさん」「さよなら絶望先生」という2つのアニメを素材として、社会風刺や宗教がネタ化され、それを読者が共有する状況を分析した論文である。宗教マンガや社会風刺マンガに関する先行研究を整理し、この2つの分析対象の特性を明らかにするとともに、作者の意図や表現技法の分析などによって、社会や宗教が現在の日本でこのように取り扱われる意味を問うている。多様な事象が同一レベルで語られるデータベース的消費への言及も興味深い。ただ、2つのテーマを扱ったため論点が分散した印象がある。この2つの事象を総合的に説明しきれていないためであろう。
キーワード1 イメージ
キーワード2 神話素
キーワード3 ネタ化
キーワード4  
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