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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 杉本 久未子
タイトル 地方都市で暮らす高齢者のQOL
内容  超高齢社会に突入している日本において、高齢者のQOLについての研究は進んできたが、地方都市の高齢者を対象にした質的調査は少ない。本研究では、地方都市の高齢女性4人にインタビューを行い、地方都市に暮らす高齢者のQOLを探った。
 高齢者のQOLには個人の価値観や過去の経験、健康状況なども影響するが、社会的関係が大きく影響していた。高齢者が家族・近隣・施設、どの関係を重視するかにはばらつきがあったが、近隣や家族との交流が少ない場合は特に、施設での友人関係がQOLにとって重要となっていた。
 また、地方都市で暮らす高齢者の特徴として、子供と同居している場合、近隣との関係を進んで持とうとしないことがあり、近隣との関係はQOLを低下させる傾向がみられた。しかし、農山村のように近隣とのやむをえない強制的な関係でQOLを低下させているのではなく、どちらかというと、都市の高齢者のように近隣よりも施設などの外部に選択的に関係を持つ個人化の傾向があった。
講評  この論文の背景にはフィールドワークなどによる元気な高齢者の発見がある。そこから地方都市における高齢者のQOL、生きがいについて先行研究をふまえ、デイサービス施設でのインタビュー調査を行うことで、筆者なりの結論を導きだしている。先行研究の整理、インタビュー項目の抽出、地方都市の高齢者を対象とする意味づけなどもしっかり記述され、すっきりした論文構成になっている。インタビュー結果の記述は読み物としてもおもしろく、現在の人間関係の中に生きがいを発見した結論に説得力がある。ライフヒストリーに踏み込めればより深い分析ができたと考えられる。
キーワード1 地方都市
キーワード2 高齢者
キーワード3 QOL
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