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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 杉本 久未子
タイトル 歌詞分析から探る現代の若者たち
内容  現代の若者たちの実態について、Jポップの歌詞を分析することにより研究した。歌詞分析によって近現代の人々の心情を分析した先行研究の紹介をした後に、流行曲の歌詞を分析することで見えてくる現代の若者たちの心情を「愛のリアリティ」「自分らしさ」「資本主義社会への適応」という3つの側面から分析した。
 この3つのテーマに共通して重要になっているのが「仲間」の存在である。「愛」という言葉が歌詞の中で恋愛関係以外の意味を示すようになり、現代の若者たちが「仲間」との関係性によって「自分たちらしさ」を築くようになった。そうした状況の中で「愛」や「自分らしさ」の中身は拡散し続けている。
 しかし現代の若者たちの多くにとっては「資本主義社会への適応」が最優先される問題であり、1990年代以前のポピュラー音楽の中で見られたような自分探しや愛のリアリティの模索をする傾向は弱まってきているという結論に至った。
講評  筆者のアンテナと感覚で切り取った現代若者像をJポップの歌詞分析を素材にしながら描いた作品ともいうべき論文である。先行研究では見田の手法を紹介しながら感覚的違和感を述べ、また阿部の若者論を一定評価しながらも男性しか取り上げてないとこを批判しているのがおもしろい。筆者の分析では、「愛のリアリティ」「自分らしさの変遷」「資本主義社会への適応」の3つの切り口からアーティストと作品が選定されており、アーティストの生きざまも含めた歌詞分析となっている。慾を言えば、論文全体から感じられる若者の閉塞感、現在の若者の生きづらさを、社会とのかかわりでもう一歩踏み込んで説明してほしかった。
キーワード1 Jポップ
キーワード2 歌詞
キーワード3 若者
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