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学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 西陣映画館と盛り場性
内容 西陣織の華やかなころ、今出川から丸太町にかけての千本通一帯は、それらの職人たちでにぎわう京都の副興行街として映画館も数多く存在していた。映画人口の減少とともに京都でも映画館の数が減った。しかし、西陣では興行街としての面影だけではなく、盛り場としての面影も失ってしまったように筆者は感じている。西陣のなかでも西陣京極という界隈は、新京極に次ぐ庶民の歓楽街であり、庶民が気軽に出歩くことができることから「下駄ばき京極」という愛称で親しまれていた。それにも関わらず、現在の西陣には往年の副興行街の面影はない。これはどうしてだろうか。なぜ西陣はかつての活気を失ってしまったのだろうか。本稿では、西陣をフィールドとし、映画館の立地と西陣の盛り場性についての研究を進めていくなかで、西陣という地域特有の現象を見つけたい。なぜ西陣から映画館が消えていったのかを知るために、西陣の系譜を記述し、西陣から盛り場性が失われていくプロセスを明らかにすることを目的とする。


講評 織物の街として知られた西陣が、なぜどのように映画街として繁栄し、また衰退していったのかを実証的に明らかにした秀作である。映画産業論一般で論じられがちなところ、資料調査と地域の人々のインタビューにもとづき、地域コミュニティ側の視点から「盛り場性」に注目してアプローチしたところが面白みである。盛衰の因果関係については、まだ検証すべき余地が多々あると思うが、大衆文化に対する社会学的な研究の一つのあり方として高く評価できる。
キーワード1 西陣研究
キーワード2 映画館
キーワード3 盛り場性
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