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学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 地域猫活動からみる地域住民の空間共有認識
内容 元来、猫はネズミ取りとしての役割を果たしており、猫が外にいるのはあたりまえであった。しかし、現在では住環境や動物愛護意識の変化によって、野良猫の存在が問題視されるようになっている。野良猫の世話を巡って、人間関係のトラブルに発展することもある。このような野良猫問題を解決するための取り組みが「地域猫活動」である。これまでの研究で、地域猫活動における地域住民間のコミュニケーションの重要性は明らかになっている。本論文では、京都市内で行われている地域猫活動の中から3地域を取り上げ、インタビュー調査を行った。各地域の地域猫活動と地域住民の関係性を分析したところ、地域住民の空間共有認識が強い場所において野良猫にまつわるトラブルが起きている可能性が示唆された。また、そのような地域においては地域猫活動の主体者が地域外の人であると反発が生まれるため、地域内発型の地域猫活動が必要であるということが分かった。
講評 野良猫については、野良犬が抱えていた狂犬病のような伝染病リスクのなさもあって、それを減らす対策がゆっくりと進んできた感がある。この論文は、「地域猫活動」がおこなわれてきた京都市内の3つの地域を現地調査し、猫が生息する地域に対する住民の空間認識と、活動の内発性という2つの観点から、その運動の成否や地域住民感情のあり方を明らかにしようとしたものである。論文の落としどころがなかなか定まらなかったことに影響されて、全体的に冗長な印象は否めないが、ヒトと他の動物との関係が人間社会内の関係と結びついて実証的に論じられた点は興味深かった。
キーワード1 地域猫
キーワード2 地域住民
キーワード3 空間共有認識
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