詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 企業における人員配置と女性の就業継続――教育機関・事務系総合職を対象とした事例研究―― |
内容 | 働く女性の周辺環境はここ数年で変わってきている。例を挙げるとすれば、まず2010年6月の改正育児介護休業法により、各企業の育児休業制度や短時間勤務がいっそう整備された。さらには、2008年から始まる日本の人口減少から懸念される労働力不足を念頭に今や、政府は成長戦略の冒頭に「女性の活躍促進」を位置づけ、企業における女性の活用に力を入れている。しかし、依然として女性の多くが出産を機に職場を去っている。第14回出生動向基本調査(2010)によれば、未婚男性・女性の望むライフコースは両立コースが増える一方で、出産後も正規の職員として働く女性は2割程度にとどまる。そして非正規雇用者として復帰するパターンが主流である。制度は整いつつあるのに、なぜ女性の就業は継続されないのか。本論文では、京都府にある大学の専任職員19名へのインタビュー調査を通し、企業の余裕のない人員配置、つまり極端に正社員が少なく非正社員が多い、少人数職場が女性の就業継続を阻害する一要因であるということを示している。 |
講評 | 女性の社会進出が進み、それを後押しするような制度が形成されるなか、女性にとって働きやすさ/働きにくさはどの辺にあるのかを、教育機関の専任職員を事例に綿密に明らかにした研究である。19人もの職員に対して半構造化インタビューをおこない、少人数職場、専任率の低下、仕事量の増加などによって、育児休業の取得が困難になったり、未婚者に仕事のしわよせが行ったりする状況を具体的に描き出した点は興味深い。そこで得られた知見から、さらなる議論の展開がほしかったところだが、比較的恵まれた職場においても起きる問題の一端が解明された点を評価したい。 |
キーワード1 | 女性 |
キーワード2 | キャリア |
キーワード3 | 育児 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |