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学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル なぜ日本人女性は海外で働くのか ??日本からの「脱出」か、自分らしく生きる場所の「追求」か--
内容  海外で働くことは長らく企業内の人事異動として行われることが多く、若い女性は、駐在員になる機会に恵まれてこなかった。1990年代以降、社会人経験を数年積んだ女性が、日常生活でジェンダー規範意識を息苦しく感じ、海外に「脱出」する女性が多く見受けられた。例えば、ワーキング・ホリデーでアルバイトをする女性、インターン・トレイニーとして働く女性や、香港やシンガポールなどのアジアの都市に現地就職する女性など、様々な動きがあった。本稿では、5人の、海外で働く20代から30代前半の日本人女性にインタビュー調査をし、海外に渡った動機や日常生活、将来計画について語ってもらった。そこでは、ネガティブな動機から日本を「脱出」したのではなく、前向きに、自らの暮らす場所を追求する若い人の姿が見えた。ジェンダー規範に縛られずに生きることは以前から海外に渡る目的であったが、今回目立ったのは、ワークライフバランスのとれた生活がしたいという、一人の人間としての生活の問題であった。5人が語ったことと、個人が自ら行動を起こし、望む生き方を追求することが良しとされる現代の社会背景とは切り離せないだろう。
講評 論文準備段階では順調なスタートだったが、途中に生じた迷いから一時進展しなくなり、結果的に完成が最もぎりぎりになってしまった論文だった。実際、内容的にもまだ荒削りであり、論述の展開も十分に練られたものとはいいがたい。ただ、海外で働く日本人女性に半構造化インタビューを実施し、2008年に書かれた同種の論文で抽出された特徴とは異なり、特に日本社会でジェンダー規範の圧力を感じていた様子がないなど、新たな傾向を抽出できた点において、何とか社会学の論文として成立している。

キーワード1 海外移住
キーワード2 女性
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