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学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 森川 眞規雄
タイトル 『アンチ・オイディプス』における「負債」の考察―柄谷行人『世界史の構造』の「交換」との比較から―
内容 本論文は、もっとも有名なポストモダン論のひとつである『アンチ・オイディプス』の議論において、原始社会から現代資本主義社会にいたるまでの社会の中で「負債」という様式が、どのように人びとを規定してきたのかという点を明らかにし、同時に、マルクス史観の相対化の試みは成功したのかを検討したものである。全体を通して、ニーチェ、フーコーと「負債」の関係を考察し、さらに「負債」がレヴィ=ストロースやマルセル・モースの人類学、社会学とどのように異なるかを検証するなど、「負債」という概念がいかに社会の中で支配的なものなのかを論じた。また、柄谷行人の『世界史の構造』において出てくる「交換」という様式と対比することで、『アンチ・オイディプス』との資本主義の未来の捉え方の違いを浮かび上がらせることができた。しかし、高度に複雑化した現代資本主義社会を社会システム論の立場から考察することの限界も明らかとなった。
講評 デュルーズ=ガタリの「アンチ・オイデプス」における「負債」の概念を柄谷行人の「世界史の構造」における「交換」の概念との比較のもとに検討し、その世界史および資本主義理解に対する有効性を考察したものである。論述はマクロな観点からの把握力に不十分なところがみられ、やや狭小な議論になっているきらいはあるが、テーマに対する理解は水準以上のものがみられ、学部の卒業論文としては高いレベルに仕上がっている。
キーワード1 負債
キーワード2 交換
キーワード3 コード
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