詳細
学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 文化的再生産におけるジェンダー差
内容  本論文は、文化資本の再生産におけるジェンダー差を議論し、なぜこのような男女差が生じているのかを解明しようとするものである。まず、ブルデューによって提唱される文化資本という概念を整理した。文化資本は身体化・制度化・客体化の3形態に分け、蓄積性・生産性・転換可能性の3つの特性をもつ。
 次に日本における文化資本の再生産プロセスに注目するため片岡の研究を再検討した。この研究は階層と家族での相続文化資本、成人後の文化的活動、文化評価、文化定義のそれぞれの相互作用を解明し、文化相続と再生産におけるジェンダー差の存在を指摘したものである。
 最後にまとめとして、性別による差異が生じる理由やプロセスを総合的に検討した。日本において女性に対するハイカルチャーの意味は男性と異なるといった点が伝統的な性別役割分業を補強し、それがジェンダーの秩序を維持し差異のある再生産に繋がっていると考えられる。
講評  片岡栄美が1990年代に行った文化資本の研究をレビューして、そこから文化資本のジェンダー差を明らかにしようとした。レビュー自体は詳しくなされているが、それをもとにして、これらを総合するとどういうことが言えるのか、少し批判的に議論するとレビュー論文としての形が整ったと考える。
キーワード1 文化資本
キーワード2 ジェンダー
キーワード3 文化的再生産
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.