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学科 社会学科
年度 2015
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 死後の世界と幸福感
内容  本研究の目的は、これまであまり注目されてこなかった日本人の宗教観と社会関係資本の関係を考慮した幸福感の検討をすることで日本における幸福感に対する理解の一助となることである。
 寺沢重法・横山忠範による研究では、「死後の世界を信じること」と幸福感の高さとの間には統計的に有意な関係があることが示されている。これは「死後の世界を信じること」によって、フラストレーションを溜め込むことなくうまく受け流したり耐えたりすることができるようになるといったものである。「死後の世界を信じること」は「霊魂(応報)観念」の下位尺度である。つまり、「死後の世界を信じること」を基本的宗教性として取り扱うことが可能であるとともに、基本的宗教性が社会関係資本に何らかの影響を持つ可能性が考えられる。
 したがって本稿では「死後の世界を信じること」が社会関係資本と有意な連関を持ち、社会関係資本の効果が幸福感を高めるという仮説をもとに分析を進めた。仮説は、病院、学校、組織への信頼、生協とスポーツ関係のグループ・クラブ、友人や家族といった社会関係資本が幸福感を高める効果を持つことが示されたため立証された。
講評  宗教は社会関係資本に影響していることは確かだろうが、それがどのような形で影響しているのかが、明確にできていない。データでの分析は無理にしても、仮説をきちんと立ててそれをもとにした説得的な議論がなされると一定の結論まで到達できたのではないか。
キーワード1 死後の世界
キーワード2 幸福感
キーワード3 社会関係資本
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