詳細
学科 社会福祉学科
年度 2015
ゼミ名 黒木 保博
タイトル 認知症早期支援へのアプローチ -地域ケアとオレンジカフェの観点から-
内容 筆者自身のオレンジカフェのスタッフ経験と,社会福祉協議会での福祉実習を通して認知症の「早期支援」に着目した.本論文では「オレンジカフェ」と「地域ケア」の2点から認知症理解を探る.第2章では高齢化がもたらす日本への影響,認知症増加の根拠を明らかにする.また,認知症の基礎も説明する.
 第3章では,地域ケアについて,社会福祉法の狙いや,認知症サポーターの活動を考察する.そして,インタビューを通して明らかになった地域ケアの好例を挙げ,地域ケアが生まれた経緯やその後の地域の変化を論じる.
 第4章では,認知症当事者と家族ケアに携わるオレンジカフェの目的を明らかにする.また,事例を用いて,カフェ来店者の心の変化を捉え,考察する.
 最終章では,オレンジカフェの今後の普及と,認知症サポーターの増加への期待を整理し,認知症のイメージ変化に必要な取り組みや課題を述べたうえで,今後の認知症との付き合い方をまとめる.
講評 1, 18名の提出であった。
2, 例年通りにゼミでの発表内容も含めての「卒論作成準備」は、二極化した。設定と文献収集リストは、ほぼ一斉にでてきたものの、卒論作成への熱意?や積極性で「格差」が出てきたと思われる。
3, 着眼点については、各自の問題性・課題について、自分の思いと証しからよく理解できた。
4, 論旨の明快性(一貫性)、構成力に関しては、よくできている論文が多かった。12, ゼミでは常々「激励」の意味を込めて伝えてきたことがある。卒論作成過程と提出できた卒論内容こそが大学生時代の学びの集大成である。講義科目はいわば「受動的姿勢」で良かったが、卒論作成は主体的、能動的に創り出していく姿勢が問われた。4年間の学んだ知識、読破した書籍、論文から得た内容や理解力、実習などでの経験、日頃からの情報収集力の集大成である。
6, すなわち各自の「福祉の視点」が明確になっているかが問われることになる。
各自のいろいろな動機から徐々にテーマを絞り、文献や資料を集め、これを読破・分析・整理して、自分の仮説を導き出し、それを論証するために論文を書いたという事実が、卒論の成果として残ったと思う。多くのゼミ生は自分自身との戦いであったと思う。苦しい思いをしながら作成作業をした。多くの人はこのような長文を書くことは今後の人生においては経験しないであろう。自分はあの卒論を書き上げたのだという自信だけはもって卒業して欲しい。もちろん、自分に厳しく自分を鼓舞して作成に立ち向かった人と、できるだけ自分との戦いは消極的で調整しながら作成した人とに区分できるかもしれない。

キーワード1 認知症
キーワード2 地域ケア
キーワード3 家族ケア
キーワード4 オレンジカフェ
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.