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学科 | メディア学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 小黒 純 |
タイトル | 日米の映画が描く人物イメージの考察 ――『十二人の怒れる男』と『十二人の優しい日本人』を題材に―― |
内容 | 本稿では、アメリカ映画『十二人の怒れる男』と日本映画『十二人の優しい日本人』を題材に、日米の映画が描く人物イメージを解明している。 そのために、両作品に関する研究を「議論」、「ヒーロー」、「あいまいさ」という三つの項目に分け、それぞれがどのように受け入れられてきたのかを比較分析した。そしてその結果を作品ごとに整理し、共通点や相違点を見出した。 『十二人の怒れる男』の描くアメリカ人の人物イメージには、「正義のために戦う単独のヒーロー」という概念があった。『十二人の優しい日本人』では、「互いに気を遣い合いながら奮闘するみんな」を、日本人の人物イメージの基盤としていたことが分かった。考察では、日米の映画が描く人物イメージの差異は、両国民が一般的にコミュニケーションにおいて、「他人」と認識する範囲の違いによるものだということを明らかにした。 今後さらに幅広く、日米の映画が描く人物イメージを検討するためには、「日本人論批判」の観点からも題材を変えて分析していく必要があると考えられる。 |
講評 | 今年度は前年度に続き最大規模の20人を超えるゼミとなった。就職活動が後ろ倒しになったことも影響し、指導は困難を極めた。2~3人を除き、なかなかスイッチが入らなかったからである。全体としての取り組みに遅さは、間違いなく“記録的”であり、気象庁の表現を真似すれば“これまで経験したことのないレベル”だった。 前年度は11月に行った「卒論合宿」に代わるものとして、12月3日に、大学院博士課程の樋口摩彌さんの協力を得て、終日の「特別ゼミ」を設定した。しかし、姿を現したのはわずか8人。この時点でも半数以上は、スイッチが入っていなかったことになる。 愛用のオレンジ色のフリクション・ボールを何本消費しただろうか。チェックしては、ScanSnap でスキャンし、添付ファイルとしてメールで返送するという繰り返し。クリスマスイブ前日には、提出を予定していた全員が姿を見せた。 土壇場の頑張りで帳尻を合わせた例が多々あった。最後の数週間の取り組みで、かなりのレベルに引き上げて、完成させた、ということだ。その馬力には感心させられた。もともと先行していた中には、修士レベルというものもあった。 1月に入ってからの卒論発表会では、「やっていて楽しかった」「提出締め切りが来てしまったが、もっと続けていたかった」という感想も。指導教員へのリップサービスでなければよいのだが・・・。 今年度は例年以上に、先行研究のレビューをしっかり行うように指導した。また、研究目的が明確かどうかにも、厳しいハードルを課した。進み方は最も遅くても、出来映えは一定水準に達したものが揃った。 指導する側にとっても、大いなる学びと発見の機会を得ることになった。このメンバーに出会えたこと、そして一緒に卒論に向き合ったことを感謝している。お疲れさま、そして、ありがとう。 |
キーワード1 | 『十二人の怒れる男』 |
キーワード2 | 『十二人の優しい日本人』 |
キーワード3 | 議論 |
キーワード4 | ヒーロー |
キーワード5 | あいまいさ |
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