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学科 | メディア学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 小黒 純 |
タイトル | オリンパス事件報道分析―日経新聞と他紙を比較して― |
内容 | 本論文では、日経新聞の報道は本当に「企業より」か、優れた粉飾決算報道とは何か、を明らかにすることを目的とする。そこで、日経新聞が「企業より」であることが示されているとされる、長年に渡る粉飾決算が問題となった2011年の「オリンパス事件」に関して日経新聞と朝日新聞、他紙のスクープ記事と報道を比較する。 分析方法として、一連の報道を①ジャイラスの買収、②マイケル・ウッドフォード氏の社長就任、③FACTAのスクープ、④マイケル・ウッドフォード社長の解任とFTのスクープ、⑤週刊朝日とロイター通信のスクープ、⑥オリンパスの法的責任、⑦日経新聞によるFT買収後のオリンパス事件の見方、の7つの項目に分け、各項目における報道の時期・記事数・文字数・掲載面・情報源・主張の6点を比較する手段をとった。結果として、日経新聞と朝日新聞を比べた場合に日経新聞が特別に企業よりであったとは言えないこと、優れた粉飾決算報道をするためには、「関係者から内部資料を得ること」「貸借対照表を見ること」の二つの方法があると示唆された。 企業スキャンダルに甘いという日本の風土に甘んじることなく、日本メディアは海外基準での粉飾決算報道を目指す必要があると考える。 |
講評 | 今年度は前年度に続き最大規模の20人を超えるゼミとなった。就職活動が後ろ倒しになったことも影響し、指導は困難を極めた。2~3人を除き、なかなかスイッチが入らなかったからである。全体としての取り組みに遅さは、間違いなく“記録的”であり、気象庁の表現を真似すれば“これまで経験したことのないレベル”だった。 前年度は11月に行った「卒論合宿」に代わるものとして、12月3日に、大学院博士課程の樋口摩彌さんの協力を得て、終日の「特別ゼミ」を設定した。しかし、姿を現したのはわずか8人。この時点でも半数以上は、スイッチが入っていなかったことになる。 愛用のオレンジ色のフリクション・ボールを何本消費しただろうか。チェックしては、ScanSnap でスキャンし、添付ファイルとしてメールで返送するという繰り返し。クリスマスイブ前日には、提出を予定していた全員が姿を見せた。 土壇場の頑張りで帳尻を合わせた例が多々あった。最後の数週間の取り組みで、かなりのレベルに引き上げて、完成させた、ということだ。その馬力には感心させられた。もともと先行していた中には、修士レベルというものもあった。 1月に入ってからの卒論発表会では、「やっていて楽しかった」「提出締め切りが来てしまったが、もっと続けていたかった」という感想も。指導教員へのリップサービスでなければよいのだが・・・。 今年度は例年以上に、先行研究のレビューをしっかり行うように指導した。また、研究目的が明確かどうかにも、厳しいハードルを課した。進み方は最も遅くても、出来映えは一定水準に達したものが揃った。 指導する側にとっても、大いなる学びと発見の機会を得ることになった。このメンバーに出会えたこと、そして一緒に卒論に向き合ったことを感謝している。お疲れさま、そして、ありがとう。 |
キーワード1 | オリンパス事件 |
キーワード2 | 粉飾決済 |
キーワード3 | 日経新聞 |
キーワード4 | 朝日新聞 |
キーワード5 | Financial Times |
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