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学科 メディア学科
年度 2015
ゼミ名 小黒 純
タイトル メディアイベント化するネット将棋―電王戦がもたらす変化の考察―
内容  本論文の目的は、日本の伝統文化である将棋の世界に、電王戦というメディアイベントが参入することで、どのような変化が起きたのかを明らかにすることである。
 電王戦を、プロ棋士、ソフト制作者、視聴者、ドワンゴ、それぞれの立場から検証し、研究を行った。その結果、電王戦は、将棋というアナログな文化自体が、「観客」を創出するデジタルコンテンツとなり得ることを証明したイベントであることが明らかとなった。それまで「指す」ことが主流であった将棋の楽しみ方に、「観る」という新たな価値を生み出したことが電王戦のもたらした変化であったと言える。また、本論文では、ドワンゴをはじめとしたデジタルメディアと、将棋界のこれまでの関係性を述べ、今後の展望についても言及した。今後は、イベントとしての電王戦のこれからの価値と、将棋界とメディアの関係性に注目し、アナログ文化が、デジタル社会でどのように変化し、受け継がれていくのかに焦点を当て、研究していきたい。
講評  今年度は前年度に続き最大規模の20人を超えるゼミとなった。就職活動が後ろ倒しになったことも影響し、指導は困難を極めた。2~3人を除き、なかなかスイッチが入らなかったからである。全体としての取り組みに遅さは、間違いなく“記録的”であり、気象庁の表現を真似すれば“これまで経験したことのないレベル”だった。
 前年度は11月に行った「卒論合宿」に代わるものとして、12月3日に、大学院博士課程の樋口摩彌さんの協力を得て、終日の「特別ゼミ」を設定した。しかし、姿を現したのはわずか8人。この時点でも半数以上は、スイッチが入っていなかったことになる。
 愛用のオレンジ色のフリクション・ボールを何本消費しただろうか。チェックしては、ScanSnap でスキャンし、添付ファイルとしてメールで返送するという繰り返し。クリスマスイブ前日には、提出を予定していた全員が姿を見せた。
 土壇場の頑張りで帳尻を合わせた例が多々あった。最後の数週間の取り組みで、かなりのレベルに引き上げて、完成させた、ということだ。その馬力には感心させられた。もともと先行していた中には、修士レベルというものもあった。
 1月に入ってからの卒論発表会では、「やっていて楽しかった」「提出締め切りが来てしまったが、もっと続けていたかった」という感想も。指導教員へのリップサービスでなければよいのだが・・・。
 今年度は例年以上に、先行研究のレビューをしっかり行うように指導した。また、研究目的が明確かどうかにも、厳しいハードルを課した。進み方は最も遅くても、出来映えは一定水準に達したものが揃った。
 指導する側にとっても、大いなる学びと発見の機会を得ることになった。このメンバーに出会えたこと、そして一緒に卒論に向き合ったことを感謝している。お疲れさま、そして、ありがとう。
キーワード1 将棋
キーワード2 電脳戦
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キーワード4 メディアイベント
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