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学科 メディア学科
年度 2015
ゼミ名 小黒 純
タイトル 強迫障害との向き合い方―映画『memo』を分析して―
内容  本論文では、2者の強迫性障害者が登場する映画『memo』内の、強迫性障害者の症状の現れ方を比較、分析している。その結果を元に、強迫性障害者がどうして症状を繰り返してしまうのか、またそれを周囲はどのようにして援助することが効果的であるかを、行動療法的視点から提言している。15のシーンから、①強迫観念、儀式行動の描写があること、②強迫性障害者自身の症状との向き合い方に変化が読み取れること、の2点を基準にして、4つのシーンを選択し、分析した。
 分析の結果、患者が症状を抱える自分自身を受け入れることが大切と学ぶこと、周囲からの孤立を感じないことが自己治療にとって重要なことだと分かった。また、患者自身が周囲と自分の悩みを共有しようとする姿勢が必要になることも分かった。
 近年では鬱を筆頭に、心の病に関心が高まっている。今後も正しい情報を発信していくことが必要だと考えられる。
講評  今年度は前年度に続き最大規模の20人を超えるゼミとなった。就職活動が後ろ倒しになったことも影響し、指導は困難を極めた。2~3人を除き、なかなかスイッチが入らなかったからである。全体としての取り組みに遅さは、間違いなく“記録的”であり、気象庁の表現を真似すれば“これまで経験したことのないレベル”だった。
 前年度は11月に行った「卒論合宿」に代わるものとして、12月3日に、大学院博士課程の樋口摩彌さんの協力を得て、終日の「特別ゼミ」を設定した。しかし、姿を現したのはわずか8人。この時点でも半数以上は、スイッチが入っていなかったことになる。
 愛用のオレンジ色のフリクション・ボールを何本消費しただろうか。チェックしては、ScanSnap でスキャンし、添付ファイルとしてメールで返送するという繰り返し。クリスマスイブ前日には、提出を予定していた全員が姿を見せた。
 土壇場の頑張りで帳尻を合わせた例が多々あった。最後の数週間の取り組みで、かなりのレベルに引き上げて、完成させた、ということだ。その馬力には感心させられた。もともと先行していた中には、修士レベルというものもあった。
 1月に入ってからの卒論発表会では、「やっていて楽しかった」「提出締め切りが来てしまったが、もっと続けていたかった」という感想も。指導教員へのリップサービスでなければよいのだが・・・。
 今年度は例年以上に、先行研究のレビューをしっかり行うように指導した。また、研究目的が明確かどうかにも、厳しいハードルを課した。進み方は最も遅くても、出来映えは一定水準に達したものが揃った。
 指導する側にとっても、大いなる学びと発見の機会を得ることになった。このメンバーに出会えたこと、そして一緒に卒論に向き合ったことを感謝している。お疲れさま、そして、ありがとう。
キーワード1 強迫性障害
キーワード2 洗浄強迫
キーワード3 くり返し強迫
キーワード4 自己治療
キーワード5 援助法
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