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学科 メディア学科
年度 2015
ゼミ名 池田 謙一
タイトル テレビニュースに対する意識調査
内容 スマートフォンの普及など、テレビを取り巻くメディア環境は急速に変化しており、テレビの必要性が低下しつつあるとされている。今回の調査では報道面に焦点を当て、20代から40代の人々が、テレビニュースにどのように接しており、どのような意識をもっているのかを調査した。視聴頻度や視聴理由などをインターネット・SNSとの比較も行いながら分析した結果、報道面でのテレビの評価が下がったのは、テレビニュースは主体的に情報を得るためのものというよりも、“毎日の生活の一部としてあるもの”という面が強く、速報性と情報の選びやすさに優れたインターネットの方が、時間や場所を選ばず主体的に情報を得ることができるためであると考えることができる。今後テレビニュースが生き残っていくためには、分かりやすさ、詳しさ、信頼性において、インターネット・SNSに勝るコンテンツを作ることや、男性よりも接触頻度や情報を得ようとする意識が高い女性に支持を得る番組作りが求められる。
講評  卒論の大半は、今年も共通のインターネット調査を通じて、個々の卒論生が自分の研究仮説を検証する試みを行った。4回生の前半で、自分の研究対象についての仮説を形成していき、後半はその仮説を検証するための実証データを取得し、分析をして論文化したことになる。
 本年の研究対象は多様で、卒論生の関心の広がりがよくわかった。メディアとマーケティングやブランド価値、メディアと地域志向・まちづくりや地域振興、多様なSNSの中での交友関係や影響関係・対人的マネジメント、異文化間コミュニケーション、体験イベントのコミュニケーション的価値、音楽プロモーションとファン、テレビニュースのインパクト、就職活動のメディア、育児ネットワーク、災害時のネットワーク、パーソナルデータのリスク認知、自己効力感とメディア発信量、ディズニープリンセスの変遷の研究、といったテーマである。
 これら多様な関心について仮説をよく生成するためには、先行研究をよく調べ、どんな概念とどんな概念との間の関係を検討するか、明確に意識し、その洞察の中で、具体的な事象の中で具体的な質問項目によって実証できる仮説を作り出す必要がある。たとえば、音楽ファンのコアファンと呼ばれる人々はSNSによる発信行動が高い、などの仮説はファン層の行動についての洞察がなくてはならない。また、実証データの分析においては、調査したデータを扱うスキルがなくては、きれいな分析をして、明確に仮説の検証を行うことはできない。さらに、データ分析後に、卒業論文として、結果を体系的に検討し、最後に仮説の検証についての明確な結論を得なくてはならない。
 全体として、卒論は全員がよくがんばったと言えるが、難点がなくはない。就職活動の時期が広範に延びたことによって卒論に費やす時間が大きく減少し、そのため仮説の生成が生煮えであり、データの検証と対応し切れていない卒論が部分的にあった。また、データの実証部分でも3回生の際に学習した統計的手法をもう少し活用したら、シンプルで説得的な分析ができただろう、という卒論も多く見られた。
 今後は、卒論の経験を元に、実証的に考えることはどういうことか、社会の中でも応用できるように研鑽を積んでほしい。営業マンになろうと、企画課の職員になろうと、メディアの送り手になろうと、人々が使うメディアや人々の行動が実際にどうなっているか、という仮説を念頭に現実に切り込んでいければ、仕事の成果で得られるものも多い。がんばってほしい。
キーワード1 報道
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