詳細 | |
---|---|
学科 | メディア学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | パーソンズの功利主義的体系と現代のプロテスタントとの比較 |
内容 | 本論文はパーソンズの『社会的行為の構造』をテキストとし、彼の言う功利主義的体系と、その体系の純粋型であるホッブスに着目する。テキストによると、功利主義的体系は19世紀まで西洋社会思想を支配しており、その体系の構築には宗教革命が関係している。そしてホッブスは利己的な個人がどのように合理的に統制されるかを論じている。これらの議論をより吟味するために、私はプロテスタントの基礎知識について牧師に直接伺った。そして牧師の話とテキストとを比較したところ、パーソンズの論じるプロテスタントが個人の魂の安寧だけを求めることを強調するのに対し、牧師のそれはむしろ個人中心の生き方を排し、信徒の交わりの中で愛を育むことを重要視している傾向が見られた。またホッブスと宗教家を比較することで、合理性による社会構築を描く際のジレンマを描いた。このようにして、宗教と社会学の関係についてさらに議論する上での足掛かりを描いた。 |
講評 | 社会学の概念を示す書物への興味、それらを相当な速さで読破し、それを周囲のゼミ生に平たく説明する。彼のこの特異なキャラクターはゼミでも常に一目置かれてきた。 ところが卒論のテーマ設定には興味が広すぎることからかなり苦戦した。指導者のアドバイスを受け、テーマを狭めパーソンズのテキストに焦点を絞った秋後半よりエンジンがかかり、自身の力で卒論テーマとして力量にもボリューム的にも見合った整理をし、そこから一気に文章に落とし込んでいった。とりわけ現実世界との対比として今日の宗教のありかたを牧師にインタビューするというアイデアは、卒論に十二分な独自性を付与する結果につながった。 卒業後は学究生活を選んだ彼には、この卒論を足掛かりにさらなるテーマの構築・解決に力を注いでほしい。 |
キーワード1 | パーソンズ |
キーワード2 | ホッブス |
キーワード3 | 実証主義 |
キーワード4 | 宗教 |
キーワード5 | 社会理論 |
戻 る |