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学科 メディア学科
年度 2015
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル 近現代の日本に"無表情の表象"が存在し続ける理由―ハローキティ、百貨店、資生堂ポスター、椎名林檎に共通するもの
内容 日本にはキャラクターをはじめとした「無表情の表象」が数多く存在している。特にキャラクターを好む背景にストレス社会の中にある癒しにする社会的背景と、神様の代わりの役割にする宗教的背景があることが明らかになっている。そこで他の「無表情の表象」が存在し続けている理由にも関心を持った。本論文は近現代以降に登場した「無表情の表象」4点の特徴や共通性を考察し、存在し続けている理由を明らかにしている。無表情キャラクターの代表であるハローキティ、明治時代末期から大正時代初期の百貨店の美人画ポスター、昭和と平成の資生堂の広告ポスター、平成を代表する歌手椎名林檎を事例とした。そしてこれら4点の「無表情の表象」を構成を真似たものが多発すること、見る側にイメージを与えすぎないこと、ジャンルを問わないことの3つのキーワードにあてはめて、「無表情の表象」が長い間、存在し続けている理由についてさらに深く論じている。
講評 今日の日本社会には「キャラクター」が多く存在する。この社会特質をテーマに選ぶ卒業論文は例年一定数存在する。しかし執筆者はそこで「無表情」という表情・表象の特質に着目することで論文を特徴づけ独自性を構築しようと考えた。
研究の途中ではやもすれば単純なキャラクター研究へと向ってしまいそうになる方向性を自ら正し、無表情というキーワードから対象と視野を広げていった。最終的にはキャラクターという存在に留まらず、(少なくとも)近代以降、日本社会に常に存在する無表情の表象の存在意味を見いだすことが執筆者の論点となった。そして時代を代表する4つのキャラクターの利用のされ方を調査し、3つの共通性を見いだしてキーワードでくくり総括した。
数字に向うことの多い春からの職場でも、このような概念化の経験と能力は、必ずや活されることだろう。
キーワード1 無表情
キーワード2 表象
キーワード3 キャラクター
キーワード4 近現代
キーワード5  
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