詳細 | |
---|---|
学科 | メディア学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | コンテンツツーリズムにおけるコミュニティの力-石川県「ぼんぼり祭り」成功からの考察- |
内容 | 本論文では、事例としてアニメ「花咲くいろは」を挙げ、その聖地巡礼(ぼんぼり祭り)における旅行行動を考察することで、コンテンツツーリズムの持続的な発展にどのような要素が起因しているかを明らかにしている。考察の対象として、mixiやニコニコ動画を中心としたSNSにおけるコミュニティ分析、実際に聖地巡礼を行った友人へのインタビューを行い、それらを先行研究にある聖地巡礼における旅行行動の枠組みとの比較検討を行った。その結果、「祭り」というコンテンツの存在が、持続的な観光を生み出しているのでないかという新たな仮説を生み出し、以降、文化人類学の観点からの考察も加え、インターネットの掲示板などの盛り上がりを表す「祭り」と、祭祀の意味を示す「祭り」の二つの祭りを検討した。ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと移行した現代では、人々のコミュニティが希薄化し、地縁をきっかけとして、同じような関心事、価値観を持つ人々のつながりを構築するオフライン上での祭りと、インターネットとの親和性の強い巡礼者がオンライン上で他者とのつながりを感じることができる祭りの、二つの意味の「祭り」が用意されていたことが、コンテンツツーリズムを持続的に発展させる要素の一つであるという結論に達している。 |
講評 | アニメや映画の舞台となった実際の街にそのファンらが旅行に訪れる。昨今関連研究が増えつつある、注目の社会現象「聖地巡礼」がテーマ。執筆者は自身がそのような趣向を持つわけではない。熱心な友人がいることから、なぜ?と考えたことがテーマ設定の契機だった。 テーマ決定に時間がかかったものの、抜群の集中力で最近の研究書を数多く読破し、友人にインタビューしたり写真資料をもらうなどしてこの現象に切り込んでいった。 論文の結論は「祭り」というコンテンツの存在である。物語にSNSでつながるファンたちに必要なのは、リアルな「祭り」でともに盛り上がるつながりである。題材とした「花咲くいろは」という作品が作り出した「祭り」が、このコンテンツツーリズムの成功を導いたとする論考は粗削りながらメディア学科らしい論文となった。金融業に就職する彼だが卒論で培った柔軟な発想と瞬発力を大切にがんばってほしい。 |
キーワード1 | コンテンツツーリズム |
キーワード2 | 旅行行動 |
キーワード3 | 聖地巡礼 |
キーワード4 | 祭り |
キーワード5 | ソーシャルメディア |
戻 る |