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学科 メディア学科
年度 2008
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル 映画『仁義なき戦い』から見える戦後と女性観
内容 今日、女性の社会進出が進み、かつてより男女の歩み寄りが果たされている。しかし
ながら、女性が権力の中枢を占めトップに立つ例はまだまだ少ない。いかにジェン
ダー意識が高まっているように見えても、現実的には発展途上だ。
とは言え、我々が生きる一般社会ではそれなりに男女同権を目指す取り組みがなされ
ている。逆に一般社会とは別の裏社会では、まだまだ男女の格差が激しいと考える。
この論文で私は、一般社会ではなく、もっと男女意識が極端な社会、即ち「ヤクザ社
会」に注目してゆく。
ヤクザ社会のヒエラルキーにおける勝者は、ほとんどの場合「男性」である。しかし
面白いことに、時として「女性」が台頭する場合が存在するのだ。しかもその台頭し
た「女性」は一般社会の「女性」の比にならないくらいに権力的で、支配下にある
「男性」の力を凌駕しさえする。圧倒的な男性社会でありながら、 女性が権力を持
ちうる──このことは一般社会ではあまり考えられず、非常に興味深いことである。
本論文は戦後のヤクザ社会をありのまま描いた映画『仁義なき戦い』を題材として、
ヤクザ社会に生きる女性や、その当時の社会問題、映画公開時の社会情勢を考察す
る。
講評 佐伯ゼミでは、ジェンダーとメディアを主要テーマにしているため、テレビ・ドラマ『働きマン』と女性の社会進出、女性オーディエンスのためのメディア戦略としてのイケメン・ブーム、客室乗務員とメディアなど、女性とメディアを論じた卒業論文で充実した成果があがった。テーマ設定は、スポーツ、ファッション、メディアのなかの言葉使いの男女差、犬・猫のメディア表象など、18名という比較的多人数の学年だったこともあり、バラエティに富んでいた。年4回(春秋各2回)の発表を積み上げて完成する形で指導しているため、ほとんどの学生が、注、参考文献の充実した、形式的にも完成度の高い論文を提出したと評価できる。
キーワード1 仁義なき戦い
キーワード2 ヤクザ
キーワード3 ジェンダー
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