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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 阿形 健司
タイトル 学生のアルバイトの過去と現在―アルバイトに対する位置づけー
内容  大学生がアルバイトをしすぎて学生生活が疎かになるという問題が近年話題になっている。その原因として、社会環境の変化から起こる若者の貧困化と学生の「帰属意識」がアルバイトにあり学校にはないことが指摘される。筆者はここから学生がアルバイトをどのようにとらえ、学生生活を送るのかという事に興味を持ち、一つ目に、過去と現在の学生の間でアルバイトの位置づけはどのように違いがあるのか、二つ目にアルバイト先に「帰属意識」を持つことが学生生活を破綻させるのかという問いを設定し聞き取り調査を行った。その結果、次の事が明らかになった。第一に過去の学生は大学での人間関係をアルバイト先にも持ち込み、アルバイトを学生生活の一部と考え、サークルのような位置づけで捉えていた。第二に、現在の学生は、大学生活とアルバイトを別物と考え、大学では「学生」をし、アルバイト先では「準社会人」をこなしていることが分かった。第三に、過去と現在の学生の両者はアルバイト先に「帰属意識」を持ちつつ大学との両立をこなしていたことから、アルバイト先に「帰属意識」を持つことは学生生活の破綻の理由とならないと分かった。
講評  アルバイトに追われて学業が疎かになることについての研究者の説明に疑問を抱き、聞き取り調査に基づいて検証した論文。既存の議論に問題意識を持ち、先行研究や既存の調査結果を吟味し、自ら調査を実施して既存の理論に反証を与え、得られた結果に独自の説得的な解釈を加えるという模範的な展開ができている。得られたデータの限界についてより目配りができるとなおよかった。
キーワード1 社会環境
キーワード2 経済状況
キーワード3 帰属意識
キーワード4 人間関係
キーワード5 個人化
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