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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 石田 光男
タイトル 本当に女性活躍推進は必要なのか
内容  政府が女性管理職比率を3割にすることを掲げている現在の社会では、女性活躍推進という言葉を聞くようになった。実際に女性管理職は少しずつ増加しており、働く女性が増加しているという現状がある。そして、この現状や政府の目標に対して様々な企業がそれぞれ対策を講じ、働く女性がより働きやすい環境を作る努力が行われている。今回取り上げた外資系企業ではGL&Dを導入し女性ネットワークという活動を行うことで女性活躍推進を促している。日系企業においても2020年までに計画的に管理職比率を増やすため段階を踏んで女性が働きやすい環境づくりを行っている。しかし、女性活躍推進をしすぎること、そして女性管理職を増やすことは女性にとって本当に働きやすい環境を作ることになっているのだろうか。現在の社会には女性活躍推進という問題以外にも晩婚化と出生率の低下による少子高齢化という問題が生じている。この二つの問題は、少なからず女性活躍推進の盲点といえるだろう。また、女性にも様々な価値観を存在することから女性活躍推進は必要ではないと結論づけた。
講評 全体の講評:卒論は大学での勉強の総決算であるから、日ごろの勉学の質が問われる。全体に3・4年でのゼミでの勉強が、すべて私の責任であるが、不徹底で、何とか形式を整えたものがいくつか散見される。とはいえ、下記の卒論は評価すべき努力の産物である。
 「アンドルー・ゴードンから見る日本労使関係」は、難しい方法的問題に直面しつつ、よく粘った論文である。難しさは、アンドルー・ゴードンの『日本労使関係史』のような、史実に基づいた手堅い歴史的実証研究を跡付けながら、なおかつ実証的裏づけを持ちえない自身の意見や批判をどのように表現すべきかという問題である。ただ単にその本の要約では物足りない、かといって実証的に反論する材料を事欠き、かつ反論の論拠は石田仕事論に依拠せざるを得ない弱点の自覚の中で、何とか今の力量の範囲でまじめに取り組んだことを高く評価したい。
 「人生哲学を踏み台にして」は、難解な福田恒存の『芸術とはなにか』と『人間・この劇的なるもの』をよく読み、どのように理解したかを丁寧に述べた論文である。一見、産業関係とは無縁なテーマであるが、社会科学の失いつつある人間学としての本質を回復する必要という文脈におきなおして考えれば、適切なテーマである。この真摯な勉強により、産業関係学も哲学であるとまで言い切れる理解につながっている力作である。
 「日本の音楽産業」は、そのビジネスとして変容を克明に描いた石田仕事論の系譜に属する好論文である。執筆者の音楽への情熱が書かせた作品である。
キーワード1 女性活躍推進
キーワード2 ワークライフバランス
キーワード3 女性管理職
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