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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 石田 光男
タイトル 拡大する消費市場とわが国における高齢者需要の重要性について
内容  私は、普段から大量のモノやサービスで溢れたわが国で、人は何を基準にモノを選び、買うのだろうと考えることがあった。私は商品の必要性や価格、嗜好性を考慮して商品やサービスを選び、買うよう意識している。そのような日常生活の購買行動の裏側に隠れたメーカーが打ち出す宣伝戦略や販促方法に興味を持ち、メーカーを中心に就職活動していた。モノであふれるわが国で、特定のモノを買ってもらうよう、戦略を立て、人の心を動かすということが魅力的に感じたからだ。一方で、そのような消費の対局にあるのが貯蓄である。今の日本は、国民に貯蓄を勧めすぎではないだろうか。街を歩けば、「老後のために数千万円の貯金が必要です」等の宣伝で溢れ、金融機関は貯蓄を促している。そこで、私の中に一つの疑問が出てきた。果たして本当にそれほどの貯蓄は必要なのだろうか。貯蓄よりも日本経済を活気づかせるためには、消費の方が重要なのではないだろうか。このように、私の疑問に即して消費の重要性を考察しながら、日本人の過剰貯蓄を解消し、いかにお金を使ってもらうようにするか考えていく。第1章では、消費の重要性を説き、過去にわが国が繰り広げてきた消費と貯蓄の争いついて言及している。第2章では、消費が経済に与える影響について言及した後、今日のアジアの消費市場についても触れる。第3章では、わが国の貯蓄市場で大きな意味を持つ高齢者の現状やその対策について言及している。第4章では、前章とは対照的に近年、増加傾向にあるアクティブシニアを例に、高齢者の消費行動について言及している。第5章では、結論として上述のまとめと今後の課題について考察している。
講評 全体の講評:卒論は大学での勉強の総決算であるから、日ごろの勉学の質が問われる。全体に3・4年でのゼミでの勉強が、すべて私の責任であるが、不徹底で、何とか形式を整えたものがいくつか散見される。とはいえ、下記の卒論は評価すべき努力の産物である。
 「アンドルー・ゴードンから見る日本労使関係」は、難しい方法的問題に直面しつつ、よく粘った論文である。難しさは、アンドルー・ゴードンの『日本労使関係史』のような、史実に基づいた手堅い歴史的実証研究を跡付けながら、なおかつ実証的裏づけを持ちえない自身の意見や批判をどのように表現すべきかという問題である。ただ単にその本の要約では物足りない、かといって実証的に反論する材料を事欠き、かつ反論の論拠は石田仕事論に依拠せざるを得ない弱点の自覚の中で、何とか今の力量の範囲でまじめに取り組んだことを高く評価したい。
 「人生哲学を踏み台にして」は、難解な福田恒存の『芸術とはなにか』と『人間・この劇的なるもの』をよく読み、どのように理解したかを丁寧に述べた論文である。一見、産業関係とは無縁なテーマであるが、社会科学の失いつつある人間学としての本質を回復する必要という文脈におきなおして考えれば、適切なテーマである。この真摯な勉強により、産業関係学も哲学であるとまで言い切れる理解につながっている力作である。
 「日本の音楽産業」は、そのビジネスとして変容を克明に描いた石田仕事論の系譜に属する好論文である。執筆者の音楽への情熱が書かせた作品である。
キーワード1 消費市場
キーワード2 貯蓄市場
キーワード3
キーワード4 高齢者
キーワード5 リバースモーケージ
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