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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 石田 光男 |
タイトル | 両立支援策の必要性と女性のキャリア継続 ―正規女性の実際― |
内容 | 現在の日本では女性が働くことは当たり前となっている。しかし、家庭を持った場合に仕事と家庭を両立することは困難であり、仕事を辞める女性も少なくない。政府や企業はこれに対し様々な施策を設け、女性の働き方に関する内容をかなり充実させてきた。そうして仕事を辞めてしまう女性を減らし、さらに女性の管理職を増やそうとしてきたのである。そうした取り組みの甲斐あって女性管理職が増えた企業も多く存在する。その企業の一つであるパナソニック株式会社の女性社員へのインタビューが実現し、会社の組織から、どのように施策がなされてきたのか、制度を利用した女性たちはどのように働いているのか、企業がどういう女性社員を増やしたいかということをまとめることができた。 しかしインタビューを通じてわかったことの中には依然として残る「男は仕事」という概念もあった。女性の社会進出は確かに実現しつつあるが、男女が協力してつくる「家庭」というものが本当に保たれたままなのかということや、女性が目指す女性のすがたは本当に男性の助けなどなくても家庭と仕事を両立できるスーパーウーマンなのかということを考えた。 |
講評 | 全体の講評:卒論は大学での勉強の総決算であるから、日ごろの勉学の質が問われる。全体に3・4年でのゼミでの勉強が、すべて私の責任であるが、不徹底で、何とか形式を整えたものがいくつか散見される。とはいえ、下記の卒論は評価すべき努力の産物である。 「アンドルー・ゴードンから見る日本労使関係」は、難しい方法的問題に直面しつつ、よく粘った論文である。難しさは、アンドルー・ゴードンの『日本労使関係史』のような、史実に基づいた手堅い歴史的実証研究を跡付けながら、なおかつ実証的裏づけを持ちえない自身の意見や批判をどのように表現すべきかという問題である。ただ単にその本の要約では物足りない、かといって実証的に反論する材料を事欠き、かつ反論の論拠は石田仕事論に依拠せざるを得ない弱点の自覚の中で、何とか今の力量の範囲でまじめに取り組んだことを高く評価したい。 「人生哲学を踏み台にして」は、難解な福田恒存の『芸術とはなにか』と『人間・この劇的なるもの』をよく読み、どのように理解したかを丁寧に述べた論文である。一見、産業関係とは無縁なテーマであるが、社会科学の失いつつある人間学としての本質を回復する必要という文脈におきなおして考えれば、適切なテーマである。この真摯な勉強により、産業関係学も哲学であるとまで言い切れる理解につながっている力作である。 「日本の音楽産業」は、そのビジネスとして変容を克明に描いた石田仕事論の系譜に属する好論文である。執筆者の音楽への情熱が書かせた作品である。 |
キーワード1 | ワーク・ライフ・バランス |
キーワード2 | 女性の社会進出 |
キーワード3 | フェミニズム |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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