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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 石田 光男 |
タイトル | グローバル人材育成と人的資源管理 ―日本の多国籍企業を中心に― |
内容 | 日本の多国籍企業は、グローバル化していく世界に立ち向かっている。しかしながら、島国特有の国民性や雇用制度を持ち、移民が少なく外国人に対する免疫がない日本企業がグローバル化に適応していくことは容易なことではない。日本企業が真のグローバル企業を目指すにあたって、課題はまだ山積みではないのかと考えた。そこで、グローバル・ビジネスの発展段階それぞれに求められるグローバル人材を考察し、各発展段階における人材育成のあり方や取り組みの事例を列挙し、さらに、グローバル経営の組織作りについて国際人的資源管理という概念を参考に述べた。これにより、今後の課題として、自国でドメスティックにキャリアを積んでいきたいと望む社員の採用・育成の制度も整えていく必要性や、優秀なグローバル人材のワークライフ・バランスへの考慮、また、世界統一の評価・処遇制度の導入の際に生じる雇用契約や費用に関するデメリットなど新たな課題が浮き彫りになった。 |
講評 | 全体の講評:卒論は大学での勉強の総決算であるから、日ごろの勉学の質が問われる。全体に3・4年でのゼミでの勉強が、すべて私の責任であるが、不徹底で、何とか形式を整えたものがいくつか散見される。とはいえ、下記の卒論は評価すべき努力の産物である。 「アンドルー・ゴードンから見る日本労使関係」は、難しい方法的問題に直面しつつ、よく粘った論文である。難しさは、アンドルー・ゴードンの『日本労使関係史』のような、史実に基づいた手堅い歴史的実証研究を跡付けながら、なおかつ実証的裏づけを持ちえない自身の意見や批判をどのように表現すべきかという問題である。ただ単にその本の要約では物足りない、かといって実証的に反論する材料を事欠き、かつ反論の論拠は石田仕事論に依拠せざるを得ない弱点の自覚の中で、何とか今の力量の範囲でまじめに取り組んだことを高く評価したい。 「人生哲学を踏み台にして」は、難解な福田恒存の『芸術とはなにか』と『人間・この劇的なるもの』をよく読み、どのように理解したかを丁寧に述べた論文である。一見、産業関係とは無縁なテーマであるが、社会科学の失いつつある人間学としての本質を回復する必要という文脈におきなおして考えれば、適切なテーマである。この真摯な勉強により、産業関係学も哲学であるとまで言い切れる理解につながっている力作である。 「日本の音楽産業」は、そのビジネスとして変容を克明に描いた石田仕事論の系譜に属する好論文である。執筆者の音楽への情熱が書かせた作品である。 |
キーワード1 | グローバル化 |
キーワード2 | グローバル・ビジネスの発展段階 |
キーワード3 | グローバル人材育成 |
キーワード4 | 国際人的資源管理 |
キーワード5 | 多国籍内部労働市場 |
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