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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 浦坂 純子
タイトル 小規模企業の親族外事業承継-設計事務所を例に-
内容 本論文では、中小企業の事業承継における形態の変化を整理した上で、特に小規模企業における親族外事業承継の課題を明らかにし、「親族外事業承継に成功した小規模企業の後継者特有の育成プロセス」「親族外事業承継の成功を支える既存の従業員のコンセンサスを得るために特別な取り組み」の有無について検証した。
 聞きとり調査では、仮説が実証できるだけの明確な結果は得られなかった。しかし、調査対象の3社において、先代からの教えよりも外部で自ら学んできたことのほうが後の経営に役立っているとの回答が得られたため、先行研究で明らかにされていた後継者育成プロセスの中で、親族外事業承継を行う際には、「入社後に外部研修などを受けさせて社外経験を補完する」というプロセスが最も効果を発揮することが分かった。
 一方で、承継させる側である先代の経営者と後継者の間で、経営に役立つと思うポイントにギャップがある可能性があることを指摘し、先代の経営者はそのギャップを考慮して後継者育成を行うべきだという結論に至った。
講評  日本企業の大半を占める中小企業における切実な跡継ぎ問題を取り上げ、特に今後増加が見込まれる親族外事業承継に的を絞った優れた論考である。先行研究を丁寧に踏まえた上で、個別性の強い小企業の事例から得られた知見を丹念にまとめ上げた努力は評価したい。本稿で指摘された点は、例えばNPO等における世代交代にも示唆的だろう。
キーワード1 事業承継
キーワード2 内部昇格
キーワード3 小規模企業
キーワード4 後継者教育
キーワード5 設計事務所
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