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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 韓国の労働組合のストライキ性向を決定する要因に対する行動の研究-韓国における労働組合のストライキ性向と政治的性向との関係性に焦点をあてて-
内容  韓国では労働組合が起こすストライキの発生頻度が減少している。その結果、労働者の権益は守られていない。にもかかわらず、このような現象がずっと続いている理由はなぜなのか、その理由の原因はなんであるのかに疑問を持った。そこで本研究は、組合員のストライキ性向に影響を及ぼす要因を分析し、ストライキ性向と韓国を代表する2つの労働組合総連盟の志向性がストライキにどのような影響を及ぼすかに焦点を当てた。その結果、韓国労働組合総連盟(以下韓国労総)は与党である「セヌリ党」と、全国民主労働組合総連盟(以下民主労総)は野党である「新政治民主連合党」とそれぞれ連携しあっていた。また、この二つのナショナルセンターはお互いに牽制しつつ、労使関係の有り様において異なっていた。その結果、労使交渉のプロセスも異なっていたことが分かった。まず、組織構造と運営の差から見ると韓国労総は雇用形態に関係なく同一な産業で働く労働者たちを一つの単位に職種と企業を超越して、組織した産別労働組合であった。また、民主労総は全国の特定地域を対象に一定な職業、職種から所定の技能水準を満たす労働者を組織対象にする企業別労働組合の組織形態であった。このように産別労働組合と企業別労働組合の差は組織参加率や組織戦略運営に影響を及ぼすし、特殊な政治的傾向により左右に分かれることでストライキ性向にも関係があることを確認した。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 労働組合
キーワード2 ストライキ
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