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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 変わる正社員の在り方
内容 日本の正社員は、時代の移り変わりとともに変容してきた。終身雇用が従業員に特に浸透するようになったのは、戦後の昭和三〇年代である。 昭和三〇年代の高度経済成長期に多くの企業は生産拡大に伴う労働力の不足に悩み、労働力の調整弁であった臨時従業員を正規従業員に組み入れていった。その結果、正規従業員が増え、終身雇用が適用される従業員も増えた。もちろん、正規社員でかつ定年まで終身雇用であった労働者は、全体的にみて少数である。また現在では非正規雇用社員の増加の結果、終身雇用が日本の雇用慣行であるとは言えなくなっている。非正規雇用社員は、代わりがいくらでもいる、使い捨てでいいという認識をされている。労働者を使い捨てていこう、そういう社会に日本が大きく転換したのが一九九〇年代以降である。日本はこの十数年で大きく変質してしまったのえある。本論文では、「人事管理」、「採用の多様化」、「定年退職」、「終身雇用」という特に正社員にかかわりのある四つの視点から、日本の雇用制度について論じる。このように社会情勢によって変容した正社員を考察し、能力主義、成果主義を主とした、今後の正社員のあり方を述べる。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 人事管理
キーワード2 採用の多様化
キーワード3 定年退職
キーワード4 終身雇用
キーワード5  
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