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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 少子高齢化 ―産み育てやすい社会の実現に向けてー
内容 少子高齢化という言葉は、丙午の合計特殊出生率である1.58を下回った1.57ショックを契機に初めて使われた。それから25年、少子高齢化は留まることを知らずに進行している。少子高齢化が与える社会への影響は計り知れない。一つは労働人口や消費の減少による経済への影響、二つ目は現役世代が負担する社会保障が機能しなくなることによる年金・介護・医療への影響、三つ目は、若年層と高齢者の母数の違いにより、一票当たりの投票格差が政治に与える影響である。少子高齢化は「産みたくても産めない」ことが原因である。
子どもの養育にお金がかかりすぎるにも関わらず、核家族化、男性の長時間労働によって、女性は育児・家事をほぼ一人で負担しななければならない。そのため、女性は正規雇用として働き続けることは難しい上、給料の高い総合職の雇い口が少ない。一方、男性は経済的状況の悪化によって、自分一人の稼ぎで、家族を養うほどの年収を持ちあわせていない。その結果として、産みたくても産めない社会を作っている。我が国では夫婦で稼ぐような政策が行われていない。その意味で国の政策は的を射ていない。男性の育児休暇取得率の増加、非正規雇用者の待遇改善、長時間労働の是正、男女の総合職採用人数、保育の質の向上、その全てが未解決のままである。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 男性の家庭進出
キーワード2 女性の社会進出
キーワード3 正規雇用
キーワード4 非正規雇用
キーワード5 総合職
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