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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 日本の新卒採用システムの解剖~就活平等幻想~
内容 日本の新卒一括採用について、筆者が就職活動を通して得た疑問・憤りの解明を本論文で行った。そのまえに、新卒一回採用を論じる上で避けて通ることができない、新卒一括採用の現状把握とその歴史、新卒一括採用の定義、それがもたらす社会問題について記述している。就職活動を通して得た疑問・憤りの解明は、具体的には、なぜ選考は不透明になってしまうのかと学歴フィルターについて行った。学歴フィルターが存在していることは自身の就活の経験を通して若干感じていたことであったが、実際はどういった形で存在するのかを本論文で検討した。学生は平等幻想に惑わされ、学歴フィルターがどのように運用されているのかを知らない場合が多いけれど、選考の不透明さ及び学歴フィルターの存在は、新卒一括採用を行っている日本にとっては必要悪なのではないかということを論じた。なぜ必要悪なのかというと、新卒一括採用である以上、学生は就業経験がなく、人物像採用になってしまうため、これら2つが存在しているということは仕方がないことなのである。
なにより、学生が中小企業にも目を向けるようにすること、就業経験や自らの適性を知り、ミスマッチをなくすことの方が大切なことではないであろうか。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 新卒一括採用
キーワード2 選抜システム
キーワード3 学歴フィルター
キーワード4 幻想平等
キーワード5  
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