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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 子どもの貧困問題~貧困の連鎖~
内容 日本は先進国であり「豊かな国」という認識を持っている人は多いであろう。しかし、現実はそうではない。確かに貧困な国のように、家のない子やボロボロの服を着ている子をみかけることはあまりないかもしれない。しかし、「相対的貧困」という目線からみると、日本は先進国でありながらOECD加盟34か国中10番目に相対的貧困率が高い上に、貧困率は年々増加傾向にある。また、日本が抱える問題として「貧困の連鎖」がある。貧困の連鎖とは親が貧困の家庭で育った子どもが大人になったとき、貧困に陥ってしまうということである。イギリスやフィンランドでは国が政策を打ち出し、子どもの貧困率を下げている。しかし、日本は、子どもの貧困率が高いのにも関わらず、有効な対策をしておらず、子どもの貧困率は年々増加している。子どもの貧困率が増えると必然的に貧困の連鎖も拡大していくであろう。今後の日本の未来を担う子どものためにも、貧困の連鎖を止める事が大きな課題といえる。貧困の連鎖が発生する主な原因として教育の不十分さがあげられる。貧困の家庭で育った子どもは、十分な教育を受ける環境が整っていない。貧困の連鎖を食い止めるためには「子どもが基礎学力を育み安定した家庭の中で成長できる環境をつくること」「義務教育の完全無償化をめざすこと」「高等教育を受ける機会の均等をはかること」が必要となるだろう。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 子どもの貧困
キーワード2 貧困の連鎖
キーワード3 十分な教育
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