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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 働き方の国際比較 ~働きやすい社会を考える~
内容 近年、「日本で働くこと」に関して、様々な問題が起こっており、また議論もなされている。具体的には、ますます加速していくグローバル化の中でどのように企業経営を行っていくか、育児休暇や時短勤務など、女性の社会進出に関する問題、少子高齢化に伴う、年長労働者の処遇について、有給休暇の取得率などのワークライフバランスの問題と、挙げればきりがない。そこで登場するのが、欧米諸国である。文化や国民性、歴史的背景なども全く異なるが、共に世界を牽引している先進国という共通点がある。ニュースや新聞などを見ていて、欧米諸国は、女性の社会進出が進んでいる、育児制度や有給休暇など福利厚生もしっかり整っているという報道を目にする。これらは、今まさに日本が抱えている問題だが、これは欧米諸国の雇用の仕組みは日本よりも進んでいるということを意味しているのか、また単純に欧米型を日本に導入することが、日本の抱えている問題の解決になるのかということを考えるのが、この論文の主題である。結論として、若年期は日本型雇用、そして30-40代のキャリア中期に段階的に欧米型に移行していくことが、最善策ではないかという考えにたどり着いた。そして、この段階的移行をスムーズに行うための施策として、エグゼンプションを用いることが一番良いと結論付けた。
講評 今年も同じことを書かねばならない。圧倒的に卒業論文執筆にかける時間数が少ないと。もちろん執筆時間を長くかけたからといって、よい卒業論文を書けるとは限らない。しかし、卒業論文の水準は、やはりかけた時間に比例していた。最初に提出された、つまりもっとも早くからとりかかった学生の卒業論文が一番よかった。この学生とは、卒業論文をめぐって何度かやり取りをすることができた。だからこの本を読んでみたらとか、ワードの脚注機能を使うこととかに始まって、提出された原稿に赤を入れることができた。もちろんそれを参考に卒業論文を書き直してもらうのである。執筆にかける時間数が少ないと、このようなことができない。そうするとどうなるか。参考文献の数が少ないから、つまり他者の見解という砲弾の嵐をくぐり抜けていないから、その文献を肯定するにせよ、批判するにせよ、自己の意見を述べるにあたっての立論の根拠が薄弱になる。だから依拠した論者が崩れたら、こけてしまうような卒業論文にしか多くはならない。なぜ、このようなことになるのだろうか。現象的には旅行に行きたいからとなる。もちろんその気持ちはわかる。しかし、たぶんそれはほんとうの理由でない。考えること、そのために知らないことを知ることこそが未来の自分を守ることであると思われていないからのように、私には見える。どうしたらよいのか。けっきょくは溺れるまでは、わからないということなのか。しかし、わたしたちは何度も溺れてきたのではなかったか。難問である。
キーワード1 ワークライフバランス
キーワード2 新卒一括採用
キーワード3 エグゼンプション
キーワード4 ポスト型雇用
キーワード5 シニオリテイ
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