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学科 産業関係学科
年度 2015
ゼミ名 上田 眞士
タイトル 日本を食いつぶす「ブラック企業」
内容 現代の大きな社会問題の1つである「ブラック企業」。就職活動を終えて、来春から社会人になる身としては、自分自身に直面するかもしれない「ブラック企業問題」を個人として、社会として、どのように対処していくかについて、関心を持った。まず、ブラック企業の誕生の背景から、ブラック企業のパターン分け、日本型雇用システムとの関係性までを通じて、自分なりに定義づけを行い、ブラック企業の正体を明かした。最後に、もし自分自身がブラック企業に携わってしまった場合に、個人としてどのような思考を持つべきか、労働組合などの団体交渉などを用いて、どのように戦略的に行動できるのかについて論じた。日本において、ブラック企業は今後より大きくなっていくと考えられる。その中で、日本型雇用とブラック企業の関係性、そして、一社会人として、ブラック企業とどのように向き合っていくかを、自分自身、今ブラック企業で働いている方々、そして日本の未来のことを考え、広く捉えた。
講評  皆さん方の卒論テーマを大まかに分野別に括ってみると,「若者の雇用&教育問題」「規制緩和&ブラック企業問題」「女性労働とWLB」「海外進出と経営改革」「LGBT&コミュニケーンなど現代社会の文化的問題」等々となっています。これらのテーマに表象されているものは,一方での経済のグローバル化や市場主義の展開,また他方では国内での種々の社会問題,労働問題の発生という,現代日本の雇用社会を舞台に展開しているダイナミズム,現実社会での当事者たちの苦闘ということになるでしょう。個々の論文ごとに,問題の掘り下げや論理的な記述という点では,たしかに精粗もありました。しかし基本的には,卒論作成という課題に対して,大変な就職活動の中でもゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた,そのように考えています。そこでここでは,研究や考察に際して私が大事だと思うポイントを簡単に指摘して,ゼミでの卒論作業を締めくくる講評としたいと思います。大切なことは,一つには,論文の良し悪しの重点は,問題把握や理解の深さにこそあるのだということです。そして,そのためにも,幅広く学習するという態度をもって欲しい,そうした要望です。やはり参考文献の数が多く,多様な角度から一つの問題を考察している論文ほど,出来が良いように思われました。しばしば耳にする建築のアナロジーで言えば,「高い建物」を建てるためには,「広い土台」が必要だということです。これは学問の世界に限らず,皆さん方の多くが足を踏み出す企業経営の世界でもそうだと思います。人事職能なら人事職能で,多様な製品事業部を経験する。営業なら営業で,国内・海外で多様な地域を経験する。そして,その一コマ一コマで学習が必要になる,そういうことだと考えて下さい。いま一つは,まとめや考察にあたっては,無理矢理な政策提言などを行わないこと。むしろ課題を掘り下げて提示することの方が,ずっと大事だということです。政策提言の価値自体を否定するつもりはありません。問題は,安易に政策提言してしまう習い性には,「わかったつもりになる」という悪弊が結びつくということでしょう。漠然としていて曖昧模糊で,何を論じて良いのか判らないという状況から,具体的に解かれるべき課題が見えて来る。言いたいことは,そこが一番大事なのだということです。そして,課題の存在や正体が分かったら,多くの人々の実践の努力は,試行錯誤を通じて,必ず何らかの答えを用意していく。少なくとも私は,そのように思います。とはいえ,「言うは易く行うは難し」。卒論の評価基準というよりは,論文執筆や考察の際の心がけだ,そのように考えて下さい。<以上>
キーワード1 大量募集・大量退職
キーワード2 日本型雇用
キーワード3 戦略的思考
キーワード4 労働組合
キーワード5  
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