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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2015 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 日本における職業教育 |
内容 | 日本の学生の質の低下。この言葉が世間一般的に言われている原因はどこにあるのだろう。この問題提起に対して、まずは学生の実情を学生へのアンケート結果、企業からの視点など様々な角度から考察する。その中で日本の学校教育における「教育の職業的意義の弱さ」に問題意識を感じた。この問題は単純に教育分野のみで完結する問題ではなく、日本の伝統的雇用形態(長期雇用、企業内職業教育)にも深く関係している。現に海外では職業教育は一般的に行われており、その有用性をドイツを例に論じている。だが本文は決して現在の日本の学校教育を全否定するものではなく、職業教育を全肯定するもでもない。ドイツにおける職業教育の問題点も、もちろんある。また日本の伝統的雇用形態、その根底を支えてきた学校教育の有用性を決して見逃してはならないだろう。社会が目まぐるしく変化する社会の中で、新たな教育の選択肢の一つとして職業教育の可能性は見直されるべきであると考察している。 |
講評 | 皆さん方の卒論テーマを大まかに分野別に括ってみると,「若者の雇用&教育問題」「規制緩和&ブラック企業問題」「女性労働とWLB」「海外進出と経営改革」「LGBT&コミュニケーンなど現代社会の文化的問題」等々となっています。これらのテーマに表象されているものは,一方での経済のグローバル化や市場主義の展開,また他方では国内での種々の社会問題,労働問題の発生という,現代日本の雇用社会を舞台に展開しているダイナミズム,現実社会での当事者たちの苦闘ということになるでしょう。個々の論文ごとに,問題の掘り下げや論理的な記述という点では,たしかに精粗もありました。しかし基本的には,卒論作成という課題に対して,大変な就職活動の中でもゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた,そのように考えています。そこでここでは,研究や考察に際して私が大事だと思うポイントを簡単に指摘して,ゼミでの卒論作業を締めくくる講評としたいと思います。大切なことは,一つには,論文の良し悪しの重点は,問題把握や理解の深さにこそあるのだということです。そして,そのためにも,幅広く学習するという態度をもって欲しい,そうした要望です。やはり参考文献の数が多く,多様な角度から一つの問題を考察している論文ほど,出来が良いように思われました。しばしば耳にする建築のアナロジーで言えば,「高い建物」を建てるためには,「広い土台」が必要だということです。これは学問の世界に限らず,皆さん方の多くが足を踏み出す企業経営の世界でもそうだと思います。人事職能なら人事職能で,多様な製品事業部を経験する。営業なら営業で,国内・海外で多様な地域を経験する。そして,その一コマ一コマで学習が必要になる,そういうことだと考えて下さい。いま一つは,まとめや考察にあたっては,無理矢理な政策提言などを行わないこと。むしろ課題を掘り下げて提示することの方が,ずっと大事だということです。政策提言の価値自体を否定するつもりはありません。問題は,安易に政策提言してしまう習い性には,「わかったつもりになる」という悪弊が結びつくということでしょう。漠然としていて曖昧模糊で,何を論じて良いのか判らないという状況から,具体的に解かれるべき課題が見えて来る。言いたいことは,そこが一番大事なのだということです。そして,課題の存在や正体が分かったら,多くの人々の実践の努力は,試行錯誤を通じて,必ず何らかの答えを用意していく。少なくとも私は,そのように思います。とはいえ,「言うは易く行うは難し」。卒論の評価基準というよりは,論文執筆や考察の際の心がけだ,そのように考えて下さい。<以上> |
キーワード1 | 学力問題 |
キーワード2 | 教育の職業的意識 |
キーワード3 | キャリア教育 |
キーワード4 | 職業教育 |
キーワード5 | 日本の伝統的雇用形態 |
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