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学科 社会学科
年度 2016
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 現代の嫁姑関係―家族の変遷との関係性―
内容 家族における嫁と姑間の問題はどこの家庭でもいつの時代でも起こりうる永遠の問題である。嫁姑問題は姑による嫁いびりを想像しがちだが、近年は嫁優位といえる家族も増えてきており、嫁姑関係も良好である家族も多い。現在は「家」制度時代や近代家族時代に比べて家族形態が大きく変化しており、嫁姑関係も変化しているはずである。しかし現在の嫁姑関係の先行研究は少ない。そのため、本論では現在の嫁姑関係がどのようなものか、また嫁姑関係がどのように変化してきたか調査した。結果として、現代の姑は嫁に協力的で嫁を大切にしていることが明らかとなり、関係性も良好で嫁姑は対等な関係であることがわかった。そして嫁姑関係は「家」制度時代、近代家族時代からは大きく変化したが脱近代家族時代からはあまり変化していない結果となった。嫁姑関係は家族形態の変化だけでは説明しきれない。現在の嫁姑関係は脱近代化の延長であるともいえるであろう。
講評 「嫁姑」という用語はそれ自体が家制度の産物であるが(「家」にとつぐ「女」、そこに「古」くからいる「女」)、家制度が解体し、近代家族制度も解体しつつある状況において嫁姑関係はどのように変容しているかを、調査にもとづいて論じた研究である。インタビュイーの数が多いとはいいがたいし、嫁姑関係というわりに「嫁」の側の話が聞けていないことなど、調査に限界はあるが、それぞれのインタビューは丁寧に聞いている。20年ほど前の調査結果と比較して、社会全般では親世帯との別居率が高まり、女性の社会進出が数値のうえでは高まっていても、嫁姑関係に大きな違いというほどのものが見られなかったことが分かった点は、そのことの意味についてもっと考察してほしかった憾みはあるものの、一つの知見として興味深い。
キーワード1 嫁姑
キーワード2 家族
キーワード3 女性
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