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学科 社会学科
年度 2016
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 地域社会と住民不在の運動―太地町追い込み漁を事例にー
内容 9月1日に追い込み漁が解禁されると、和歌山県東牟婁郡太地町という人口約3000人の町には、反捕鯨団体の活動家、マスコミ関係者、反捕鯨活動に対して反対活動を行う反「反捕鯨」団体、警察や海上保安庁の人々がそれぞれ大挙する。反捕鯨映画の「the Cove」が放映されてから、その反証映画である「Behind the Cove」が作成され、また追い込み漁で捕獲したイルカを入手することをJAZAが禁じるなど、追い込み漁を取り巻く状況はめまぐるしく変化し、多くの人々の関心を誘っている。そんな中、太地町住民の意見を取り上げた作品や先行研究は乏しく、或いは漁師や元捕鯨関係者と同列に語られることが多い。住民の方々はこの状況についてどのような意見を持っているのかということに関心を抱き、太地町を訪問してインタビューを中心とした調査を行った。結果、太地町の持つ性格と立地条件、それに加え運動の持つ特性により、町民はそのさなかに立ち現れないことが明らかとなった。
講評 本論文は、とかくセンセーショナルに描かれがちなイルカ漁について、地域の外部で形成されたポリティカルな対立軸を一旦相対化しつつ、地域社会側の視点から描き直そうとした社会学的研究である。短期の現地調査なのでまだ表層的との印象は免れえないが、全くツテもないところから、漁業関係者、非漁業の地域住民、反捕鯨団体関係者などにインタビューをして、運動の外部性と地域社会の直面する、よりリアルな問題を断片的ながら明らかにした点は評価できる。
キーワード1 追い込み漁
キーワード2 反捕鯨団体
キーワード3 観光化
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