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学科 | 社会学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | フィリピン第二世代のネットワーク形成-学校コミュニティに規定される教会コミュニティ- |
内容 | 近年増加しているフィリピン移民について、移民1世の研究は数多いもののその子どもにあたる1.5世や2世などの第二世代についての研究は未だ少ない。また、多くの研究がカトリック教会を在日フィリピン人にとって極めて重要なコミュニティと位置づけ、教会を軸に調査を行っている。確かに、居場所づくりに加え生活支援の役割を併せ持つ教会は第一世代にとっては優先されるべきコミュニティである。しかしながら、生活支援の役割を実感せず、日本のコミュニティに居場所を形成した第二世代にとって教会は特別視されるほどの重要なコミュニティではない。 学校や地域の支援教室といった主に日本人によって運営されるコミュニティとの相互関係の中で、学校など他のコミュニティによって教会コミュニティはその優先度を規定される。インタビューを通して第二世代の従来のコミュニティ観に捉われない柔軟な生き方を見つめ、また、日本における同化圧力の存在が第二世代を教会から遠ざける可能性についても指摘する。 |
講評 | 昨今増加を示している在日フィリピン人であるが、その第二世代が日本で成長していくなかで、カトリック教会と家族ネットワークに代表されるエスニック・コミュニティがどのような機能を有しているのか、その参加のあり方における日本社会側の要因はいかなるものかを考察した論考である。調査者の言語能力の限界や、フィリピン人コミュニティへの入り方の浅さという問題はあるものの、教会に通っていない第二世代の子らの声を聴き取り、そこから彼女らの柔軟な生き方を描き出すとともに、日本社会側の同化圧力の存在が示唆された点で貴重な内容を含んでいる。 |
キーワード1 | 在日フィリピン人 |
キーワード2 | 教会 |
キーワード3 | コミュニティ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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