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学科 メディア学科
年度 2008
ゼミ名 渡辺 武達
タイトル スポーツ報道の現在-メディアのヒーロー崇拝を追う-
内容 「ヒーロー崇拝」とは、メディアがだれかれ構わずスポーツ選手をヒーローに祭り上げることである。
 冒頭で、スポーツ報道の原点は「スポーツの大衆化」だと指摘。しかし、現在のスポーツ報道は「ヒーロー崇拝」という間違った方法で大衆化を進めていると、論文を通して複数の具体例を挙げ示している。
具体例を紹介する上で、ヒーローを「真のヒーロー」と「セレブリティ(虚像のヒーロー)」に区分。真のヒーローはスポーツ選手としての要素(技術)が優れ賞賛される者、それに対しセレブリティは、スポーツそのもの以外の要素がメディアによって強調され、世間的知名度が上がった者を指す。スポーツそのもの以外の要素とは、性格、外見などである。
 上記を踏まえて、北京五輪やハンカチ王子などの報道内容を検証。その結果、現在の報道がセレブリティを大量生産する傾向にあることを示した。
セレブリティ大量生産により、イケメンや王子様ヒーローばかりがメディアによって作られ、スポーツ界の芸能界化が起こっている。一方で真のヒーローを報道する精神がないがしろにされ、本来スポーツ報道に必要なスポーツを深く見る目が失われてしまっている点を問題視した。
講評  私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しているが、おおむね現代社会のメディア状況を分析するという視点だけは整ったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動とそれを背後から操る社会内在的論理に肉薄し、生命の長い文章にまとめる努力の結果が反映された卒論が書けるように指導していきたい。
キーワード1 スポーツ報道
キーワード2 大衆化
キーワード3 ヒーロー
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