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学科 | 社会学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 韓国地方大学生のライフコースと就職意識の形成について |
内容 | IMF経済危機以降、韓国社会はそれ以前からの大企業と中小企業間およびソウルと地方間における格差を拡大させていった。またそのような中で、経済発展と失業率抑制を同時に行うために、非正規雇用の創出と20代の就職機会の制限がなされている。このような格差社会において、現在もっとも疎外されたコーホートは地方大学生である。本論文は、韓国全羅北道所在の全北大学校日語日文学科の学生たちに就職に関する半構造化インタビューを行い、彼らのライフコースと就職意識の関係を記述することを目的とした研究である。1990年代前半に出生した彼らは、経済危機以降の不安定な韓国社会とともにそのライフコースを歩んでいる。調査結果の分析から、大学進学前後には希薄であった彼らの就職意識は、就職の負担感と「就職について考える期間」を通じて形成されることが明らかになった。また、彼らの多くは自身の持つスペックを最大限に活用した日本就職か、国内で安定した公務員を志向するのである。 |
講評 | 韓国の熾烈な学歴社会や若者の就職難はよく取りざたされ、さまざまステレオタイプを生み出してきたが、本論文は、韓国で1990年代前半に生まれた地方国立大学生に半構造化インタビューを実施し、かれらのライフコースから就職意識の形成を明らかにしようとした研究である。膨大なデータを処理するのに手間取り、執筆がぎりぎりになってしまった分、どうしてもラフな面が数多く目についてしまうし、考察も評論のようなものになってしまっているが、大学志望や就職志望の多様な状況、徴兵や休学が就職意識にもつ機能、日本語や日本の労働市場に対する意味づけなど、このような調査をしなければ見えてこなかった側面が解明された点は評価したい。 |
キーワード1 | 韓国地方大学生 |
キーワード2 | ライフコース |
キーワード3 | 格差社会 |
キーワード4 | 就職 |
キーワード5 | 日本語 |
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