詳細 | |
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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 木原 活信 |
タイトル | 地域社会とインクルーシブ教育-知的障害児に対する差別解消の観点から- |
内容 | 知的障害児に対する偏見の一因として、彼らと交流する機会があまりないもしくはほぼないという現状が挙げられる。日本における障害理解教育の変遷に注目してみると、障害児と健常児の交流が進まない原因として、日本の障害児教育が国際的に比較しても遅れていること、さらにインクルージョンの理念が世間に浸透していないことが分かった。そういった現状を打破するためには、教育現場へのインクルーシブ教育体制の導入及び構築が必要不可欠である。文部科学省がインクルーシブ教育の推進に関する報告を取りまとめたが、理念先行の性急なインクルーシブ教育の導入にはリスクが伴う。まずは、法律や環境を整備し、導入の受け入れ体制を整えることが重要である。つまり、知的障害児の偏見の一因である交流機会の希薄さを是正するためには、いかにインクルーシブ教育の導入状況を調整するか、また地域に根差した取り組みへと発展させることが大切なカギとなる。 |
講評 | テーマ設定は自ら考えるというのが僕の方針である。それは、テーマを自ら発見し、それを探求する過程こそ研究の第一歩であり、そこに重要な意義があると考えるからである。その意味では、今年も各自よくテーマを自分なりに模索しつつ、よく練られたテーマを考えたと思う。その結果、上記に記すようなテーマとなった。 今年の卒論は、精神障害、発達障害、知的障害、児童・高齢者虐待、高齢者の介護問題、認知症のケア、依存症、ひきこもり、不登校、家族問題、犯罪などというキーワードが浮かびあがってくるように極めて現代的な福祉の重要課題に基づくテーマとなっている。それぞれが社会福祉学を学ぶにあたっての集大成として、これらのテーマと必然的に出会ったようであったが、鋭い問題意識をもってユニークな研究テーマに取り組めたと思う。 テーマ設定にはその時代を色濃く反映してその解決を模索したものが多いが、社会福祉学の場合、たまに学生の自らの青年期の課題を生きるために苦悩しつつ、それを必死で言語化している場合も散見される。歴史学者の阿部謹也氏が言うところの「自分のなかに歴史を読む」ということであろう。これを機にそれらの問題を更に突き止めていってもらいたいが、仮にもテーマそのものが自らの個人体験的課題に直結するのであれば、この卒論の論文執筆を通して、その問題から「解放」された自由人になることも切望したい。 ところで、テーマに付随する先行研究を整理するのには手間と時間がかかる。これに苦労してなかなか前に進まなかったものもあったが、これを丹念に進められたかどうかが論文の評価に直結してくる。英語文献まできっちりと読みこなした論文もあったが、これは高く評価したい。また自ら、調査課題を設定し、手間と時間をかけて自分なりの独自の調査を実施した論文もあったが、これも大いに評価できる。実践フィールドに自ら出かけてそこで課題を見出した論文もあったが、その分析・考察の課題はあるにせよ、リアリティのある論文となった。これらの意気込みとその作業を大いに評価したい。 締め切りぎりぎりまで厳しい論文執筆作業に苦心した者もあったが、全体として、私の厳しい注文にも自らの問題意識を軸に必死で活字にしようと本当によくがんばったと思う。なかには、大学院生の学位論文顔負けの鋭い問題意識をもって新機軸を模索しようとするような論文もあった。 |
キーワード1 | 知的障害児への偏見 |
キーワード2 | 障害児理解教育 |
キーワード3 | インクルーシブ教育 |
キーワード4 | 地域支援 |
キーワード5 | |
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