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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 木原 活信 |
タイトル | 在宅の知的障害児・者の余暇充実に向けての考察-制度や福祉サービスに焦点を当てて- |
内容 | 障害児・者に関する問題や課題として、雇用や療育についてはよく耳にするが、余暇支援についてはそれらと比べると少ない。しかし仕事や学校に行っている時以外の家で過ごす時間というのは意外に長く、在宅で暮らす障害児・者は本人が時間を持て余すだけではなく、家族の負担となる場合もある。具体的にどのようなニーズが家族と本人にあるかを知った上で、障害児・者の余暇支援について諸外国の制度にも着目して考察した。調査の結果、子どもの面倒は親が見るのが義務という考えがまだ残っていることが分かった。余暇充実のためには、その社会全体の認識を変えていくとともに障害者が在宅で暮らしていても、家族による介護に依存せずに生活できるような制度にするべきだ。スウェーデンの親族ヘルパーやコンタクトパーソンの制度をよく吟味して日本にも取り入れていき、介護の負担を減らす事や、障害者の社会参加の推進に力を入れるべきだという結論に至った。 |
講評 | テーマ設定は自ら考えるというのが僕の方針である。それは、テーマを自ら発見し、それを探求する過程こそ研究の第一歩であり、そこに重要な意義があると考えるからである。その意味では、今年も各自よくテーマを自分なりに模索しつつ、よく練られたテーマを考えたと思う。その結果、上記に記すようなテーマとなった。 今年の卒論は、精神障害、発達障害、知的障害、児童・高齢者虐待、高齢者の介護問題、認知症のケア、依存症、ひきこもり、不登校、家族問題、犯罪などというキーワードが浮かびあがってくるように極めて現代的な福祉の重要課題に基づくテーマとなっている。それぞれが社会福祉学を学ぶにあたっての集大成として、これらのテーマと必然的に出会ったようであったが、鋭い問題意識をもってユニークな研究テーマに取り組めたと思う。 テーマ設定にはその時代を色濃く反映してその解決を模索したものが多いが、社会福祉学の場合、たまに学生の自らの青年期の課題を生きるために苦悩しつつ、それを必死で言語化している場合も散見される。歴史学者の阿部謹也氏が言うところの「自分のなかに歴史を読む」ということであろう。これを機にそれらの問題を更に突き止めていってもらいたいが、仮にもテーマそのものが自らの個人体験的課題に直結するのであれば、この卒論の論文執筆を通して、その問題から「解放」された自由人になることも切望したい。 ところで、テーマに付随する先行研究を整理するのには手間と時間がかかる。これに苦労してなかなか前に進まなかったものもあったが、これを丹念に進められたかどうかが論文の評価に直結してくる。英語文献まできっちりと読みこなした論文もあったが、これは高く評価したい。また自ら、調査課題を設定し、手間と時間をかけて自分なりの独自の調査を実施した論文もあったが、これも大いに評価できる。実践フィールドに自ら出かけてそこで課題を見出した論文もあったが、その分析・考察の課題はあるにせよ、リアリティのある論文となった。これらの意気込みとその作業を大いに評価したい。 締め切りぎりぎりまで厳しい論文執筆作業に苦心した者もあったが、全体として、私の厳しい注文にも自らの問題意識を軸に必死で活字にしようと本当によくがんばったと思う。なかには、大学院生の学位論文顔負けの鋭い問題意識をもって新機軸を模索しようとするような論文もあった。 |
キーワード1 | 余暇支援 |
キーワード2 | 知的障害 |
キーワード3 | 外国における知的障害 |
キーワード4 | 障害者総合支援法 |
キーワード5 | |
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