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学科 社会福祉学科
年度 2016
ゼミ名 空閑 浩人
タイトル 発達障害をもつ子どもへの支援-ADHDを中心に-
内容 平成24年12月に公表された文部科学省が行った調査では、全国の公立小・中学校の通常学級に在籍する生徒約5万人のうち、発達障害の可能性があるのは6.5%という結果が出た。推計で60万人、児童40人につき2、3人の割合である。その中でも、ADHDの可能性があるという児童は10人に1人という結果となった。ADHDは、発達障害の程度としてはかなり軽度の障害のため、発達障害の中でも気付かれにくい障害である。中には、子どもの頃に診断を受ける機会がないまま大人になり、大人になってからも自分の障害に気付かずに苦しんでいる人もいる。この現状を知り、ADHDへの理解を深め、支援方法を学びたいと思うようになった。発達障害は障害があることがみえにくいため、周囲からは障害を認められず、誤解されやすい。また、周囲の知識が乏しいために理解されないこともある。私達が発達障害について知り、理解していれば、発達障害をもつ子が苦しまずに済むのではないだろうか。
本稿では、発達障害の中でもADHDを中心に論じていく。当事者の苦しみや、悩みを取り上げ、それに対してどのような対策や支援が必要なのかを考察していく。昨年、母子生活支援施設で実習をさせて頂いた際に、職員さんは発達障害をもつ子への関わり方に工夫されていることが多かったことから、改めて職員さんにお話を伺った。実際に発達障害をもつ子どもと関わっておられる職員さんのお話や、当事者の子育て等から考えたことをまとめ、必要な支援方法について論じていく。
発達障害をもつ子は、同じ障害でも育った環境や性格、こだわりなど当然症状は異なり、ひとりひとりに合った支援が必要である。子どもを「発達障害」「ADHD」という型に入れて、支援をするのではなく、ひとりの個人として理解していくことの重要性を主張していきたい。
講評 本論文(「発達障害をもつ子どもへの支援-ADHDを中心に-」)は、本人も周囲も気づきにくい発達障害とその障害をもつ子どもに焦点を当てた論考である。発達障害であるが故の当事者の苦しみや生きづらさに、徹底して寄り添っての考察がなされている。子どもを型に入れない教育や支援という筆者の主張は、どの子どもに対しても重要である。

同志社大学空閑ゼミ第13期卒業生となった今年度のメンバーは、17名が無事に卒業論文を提出した。非常に多彩なテーマがそろったが、いずれのテーマも、社会のなかで、あるいは地域の一員として「人が生きて、生活すること」にかかわる社会福祉の学びにおいては、避けることの出来ない非常に重要な課題である。同時に、非常に「重い」そして「深い」課題でもある。ゼミメンバーの卒業論文を通して、社会福祉研究における対象の広さ、深さや多様性、そして様々なテーマの相互のつながりと関連性、個人が体験する生活問題に対する社会的かつ構造的なまなざしの大切さに、改めて気づくことができた思いである。
卒業研究とその成果としての卒業論文は、メンバーによって、確かに出来不出来はある。もう少し早くから取り組んでいたら、もう少し多くの文献を読み込んでいたら、もう少し考察を深めてくれたら、もう少し丁寧に調査ができていたら、などと思う論文もある。しかし、「学問」の営みはこれで終わるわけではない。卒論の完成は、新たな問いや学び、考察への出発点でもある。4月以降もそれぞれの新しい場所で、「問い」続け、「学び」続け、そしてその問いや学びを誰かと(もちろん私も含めて)共有して行って欲しい。
キーワード1 周囲の理解
キーワード2 生きづらさ
キーワード3 親子支援
キーワード4  
キーワード5  
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