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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 空閑 浩人 |
タイトル | 働く女性が子どもを産み育てやすい社会づくり―少子化の解決にむけて― |
内容 | 現代では,女性も男性と同じように社会に出て働くことが当たり前のようになっている.しかし,私自身の将来のことを考えていると,どれだけ福利厚生の制度が整っていても男性と同じように仕事をしながら育児や家事をするのは決して容易なことではないと感じた.子育てに関する本はたくさん出版されているが,子育てには正解がなく,それぞれの家庭によって生活様式も悩みも異なる.そのような中,働きながら子どもを育てる親の生活に興味を持ち,ワーキングマザーや子どもを支える制度や仕組みについて知りたいと思った.女性の社会進出によって少子化が進行するといわれているように,少子化の解決には子育ての支援が欠かせない.少子化,人口減少が日本にとって大きな問題であることは多くの人が承知しているが,その問題は想像以上に深刻である.このまま少子化,人口減少が進めば,日本の経済はかなり大きなマイナスの影響を受けることになる.少子化の原因は,社会の発展にともなう教育費の増大,女性の社会進出による晩婚化,核家族化,子育てに対する不安,価値観の変化などが考えられるが,少子化問題の対策には仕事と子育てを両立するための支援が鍵を握っており,かつて「女性のもの」,「家庭の問題」と位置づけられていた「子育て」が,今や日本社会の将来を左右するメインテーマになったといえる.本稿では子育てをしながら働く母親の現状と課題について考察し,子育て支援の大切さを再確認し,これからの少子化とどう向き合っていくかということにつなげたい. |
講評 | 本論文(「働く女性が子どもを産み育てやすい社会づくり―少子化の解決にむけて」)は、近年の少子化問題に挑んだ労作である。ワーキングマザーの現状を踏まえながら、女性の社会進出と育児との両方の支援の充実について議論が展開される。仕事と育児の両立のための筆者の主張が実現されなければ、「一億総活躍社会」は絵に描いた餅となる。 同志社大学空閑ゼミ第13期卒業生となった今年度のメンバーは、17名が無事に卒業論文を提出した。非常に多彩なテーマがそろったが、いずれのテーマも、社会のなかで、あるいは地域の一員として「人が生きて、生活すること」にかかわる社会福祉の学びにおいては、避けることの出来ない非常に重要な課題である。同時に、非常に「重い」そして「深い」課題でもある。ゼミメンバーの卒業論文を通して、社会福祉研究における対象の広さ、深さや多様性、そして様々なテーマの相互のつながりと関連性、個人が体験する生活問題に対する社会的かつ構造的なまなざしの大切さに、改めて気づくことができた思いである。 卒業研究とその成果としての卒業論文は、メンバーによって、確かに出来不出来はある。もう少し早くから取り組んでいたら、もう少し多くの文献を読み込んでいたら、もう少し考察を深めてくれたら、もう少し丁寧に調査ができていたら、などと思う論文もある。しかし、「学問」の営みはこれで終わるわけではない。卒論の完成は、新たな問いや学び、考察への出発点でもある。4月以降もそれぞれの新しい場所で、「問い」続け、「学び」続け、そしてその問いや学びを誰かと(もちろん私も含めて)共有して行って欲しい。 |
キーワード1 | 子ども |
キーワード2 | 子育て支援 |
キーワード3 | 少子化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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