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学科 社会福祉学科
年度 2016
ゼミ名 空閑 浩人
タイトル 児童養護施設における自立支援の重要性 ―施設退所後に役立つ支援とは―
内容 児童養護施設の入所期間は通常満18歳までであるが、退所者の約4割が親を頼ることができない等の理由により退所後に自立せざるを得ない。また、親を頼ることができないが故に経済的・精神的にも不安定な状態で社会へ出なければならない上に社会に出てから挫けた際の拠り所も少ないという現状がある。
1997年の児童福祉法改正により、施設の設置目的に「自立支援」が加わった。2004年の改正では、児童福祉施設において「退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うこと」と法文化され、退所後の支援やそのための自立支援が児童養護施設の仕事の柱として位置づけられるようになり、一層自立支援についての関心は強まっている。しかし、実際に施設退所者へ支援が行き届いているとはいえない。
本論文では、施設退所者が自立した生活を送るために、児童養護施設職員に求められる支援とは何かを明らかにし、施設退所後に役立つ自立支援について考察していく。
講評 本論文(「児童養護施設における自立支援の重要性―施設退所後に役立つ支援とは―」)は、自らの児童養護施設での実習経験から抱いた問題意識を基に、子どもへの施設退所後の支援について論じられている。様々な不安を抱える退所者の立場に立った論考が展開されている。子どもたちにとっての「自立」とは何かを改めて考えさせられる。

同志社大学空閑ゼミ第13期卒業生となった今年度のメンバーは、17名が無事に卒業論文を提出した。非常に多彩なテーマがそろったが、いずれのテーマも、社会のなかで、あるいは地域の一員として「人が生きて、生活すること」にかかわる社会福祉の学びにおいては、避けることの出来ない非常に重要な課題である。同時に、非常に「重い」そして「深い」課題でもある。ゼミメンバーの卒業論文を通して、社会福祉研究における対象の広さ、深さや多様性、そして様々なテーマの相互のつながりと関連性、個人が体験する生活問題に対する社会的かつ構造的なまなざしの大切さに、改めて気づくことができた思いである。
卒業研究とその成果としての卒業論文は、メンバーによって、確かに出来不出来はある。もう少し早くから取り組んでいたら、もう少し多くの文献を読み込んでいたら、もう少し考察を深めてくれたら、もう少し丁寧に調査ができていたら、などと思う論文もある。しかし、「学問」の営みはこれで終わるわけではない。卒論の完成は、新たな問いや学び、考察への出発点でもある。4月以降もそれぞれの新しい場所で、「問い」続け、「学び」続け、そしてその問いや学びを誰かと(もちろん私も含めて)共有して行って欲しい。
キーワード1 児童養護施設
キーワード2 自立支援
キーワード3 選択肢
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