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学科 社会福祉学科
年度 2016
ゼミ名 空閑 浩人
タイトル 貧困の連鎖から脱する~今、日本に必要な子どもの支援~
内容 日本では、約6人に1人の子どもが貧困状態にあると言われており、生まれ育った環境によって学ぶ機会を失ったり、十分な衣食住が確保されていなかったりする。また、経済的な理由で十分な教育を受けることができない子どもたちの格差は大きな問題となっている。どうすればこのような現状を断ち切ることができるのだろうか。そのあり方や具体的な活動、地域での取り組みを取り上げながら、“今日”の子どもの貧困にはどのような支援が必要かを明らかにすることを目的とする。
まず、現代における日本の貧困について概観する。次に、大きな社会問題となっている「貧困の連鎖」について、背景を読み取った上で、世代間連鎖やそれらから生じる子どもの格差について明らかにする。近年、貧困世帯が増え、社会の格差は広がっている。その中でも特に大きな問題になっている「学力格差」に焦点を当て、どうすれば貧困の連鎖を断ち切ることができるのかを考察する。さらに、実際に子どもの貧困対策に取り組んでいる民間団体の事例を取り上げる。これらを踏まえて、今日の支援にはどのようなことが求められているのか、事例で取り上げた民間団体から今とこれからの支援のあり方についても考察し論じていく。
講評 本論文(「貧困の連鎖から脱する-今、日本に必要な子どもの支援」)は、今日注目されている「子どもの貧困」の問題に「学力格差」という側面から切り込んだ力作である。具体的な支援団体の活動についても触れながらの論考は興味深い。貧困の連鎖を断ち切るために、子どもへの教育機会を等しく保障するべきという筆者の指摘は説得力に富む。

同志社大学空閑ゼミ第13期卒業生となった今年度のメンバーは、17名が無事に卒業論文を提出した。非常に多彩なテーマがそろったが、いずれのテーマも、社会のなかで、あるいは地域の一員として「人が生きて、生活すること」にかかわる社会福祉の学びにおいては、避けることの出来ない非常に重要な課題である。同時に、非常に「重い」そして「深い」課題でもある。ゼミメンバーの卒業論文を通して、社会福祉研究における対象の広さ、深さや多様性、そして様々なテーマの相互のつながりと関連性、個人が体験する生活問題に対する社会的かつ構造的なまなざしの大切さに、改めて気づくことができた思いである。
卒業研究とその成果としての卒業論文は、メンバーによって、確かに出来不出来はある。もう少し早くから取り組んでいたら、もう少し多くの文献を読み込んでいたら、もう少し考察を深めてくれたら、もう少し丁寧に調査ができていたら、などと思う論文もある。しかし、「学問」の営みはこれで終わるわけではない。卒論の完成は、新たな問いや学び、考察への出発点でもある。4月以降もそれぞれの新しい場所で、「問い」続け、「学び」続け、そしてその問いや学びを誰かと(もちろん私も含めて)共有して行って欲しい。
キーワード1 貧困
キーワード2 格差
キーワード3 連鎖
キーワード4 支援
キーワード5  
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