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学科 | メディア学科 |
年度 | 2008 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | 出版敗戦と再販制維持の是非についての研究 |
内容 | 現在の出版業界は不況、敗戦と言われ、IT化の波に押し流されそうになっていると世間では言われている。しかしふと街を歩くと、書店の数は多く、その規模も極めて大型化している。出版業界は本当に低迷しているのか、もしそうならばその原因、打開策が知りたい―そんなイメージと現状の矛盾が、本論文を書くに至った動機である。最初に、著作物という特殊な商品を扱う出版業界をとりまく制度について調べ、そこから再販制と出版業界の深い関わりを明らかにした。日本の再販制の成立、海外諸国の制度展開から、再販制の維持が出版文化の保護と繋がっているという事を見出した。そこから、業界低迷の理由を再販制から新規事業の参入へとしていき、アマゾン、TSUTAYAのビジネスモデルを分析した結果、それらのサービスが間接的に再販制を無効のものとし、出版文化を侵食しているという結論に至った。そして、最後にケータイ小説を取りとげ、それが出版文化と呼べるものにふさわしいかを検証した。 以上の流れで、出版業界の低迷の真相、そして出版文化の維持についてを、再販制を中心とした業界研究に基づいて論じた。 |
講評 | 私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しているが、おおむね現代社会のメディア状況を分析するという視点だけは整ったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動とそれを背後から操る社会内在的論理に肉薄し、生命の長い文章にまとめる努力の結果が反映された卒論が書けるように指導していきたい。 |
キーワード1 | 再販制 |
キーワード2 | 市場寡占 |
キーワード3 | 出版文化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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