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学科 | メディア学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 定額制音楽配信サービスは若者の音楽聴取のメインツールとなり得るか |
内容 | 2015年に彗星のごとく現れた定額制音楽配信サービスは大学生をはじめとした若者の音楽聴取のメインツールになり得るのだろうか。本論文では大きく分けて「音楽市場の背景と定額制音楽配信サービスの性質」「大学生を対象とした音楽聴取についての独自のアンケート調査」「若者の音楽聴取の特性」の3つの要素からこのテーマを検証している。検証の結果、定額制音楽配信サービスの課題が明らかになった。現在若者の間で蔓延している違法な無料の音楽配信アプリの取り締まりを強化し、「音楽にお金を払う」という価値観を再起させること、そして、音楽聴取の付加価値の強化と認知度のアップを図り、現状の音楽聴取に満足して定額制音楽配信サービスの利用に至っていない層にサービスの利用価値を効果的に働きかけることだ。最終章ではこれらの課題をクリアし、根強いCD文化・慣習から定額制音楽配信サービスへの移行を上手く行えるかどうか成功のカギになってくると結論付けている。 |
講評 | 佐伯ゼミ2017年度生は、音楽、映画、テレビCM等の視聴覚的な媒体を、社会的背景との関わりから論じ、社会的データ、独自のアンケート調査の結果分析に、映像分析、言語情報の表象分析、言説分析を加え、多彩な方法論を駆使して、修士論文と同等の優秀な成果があがった。質的分析、量的分析の双方を駆使するのが佐伯ゼミ卒業論文の特徴であり、評論と論文の違いも、大学教育にふさわしいレベルで正確に指導した成果である。 本論文は、音楽を聴く行為が、レコードの購入からCD、さらにデジタル配信サービスへとメディア環境の変化とともに変容していく過程を考察し、最新の定額性音楽配信サービスが、旧媒体にかわって音楽聴取の主流になりえるか否かについて、文献調査とアンケート調査の方法論を融合して論じたものである。同世代のオーディエンスに行った独自のアンケート調査と、日本レコード協会、日本生産性本部等の外部機関の調査結果を総合的に考察し、音楽を「聴く」サービスとしての音楽配信サービスは今後主流になり得るものの、音楽を「所有」する喜びを与える意味でのレコードやCDの社会的意味は消滅しないであろうと結論づけた。受け手がどのような動機づけによって音楽を享受するかによって、“モノ”か情報かのすみわけがなされるという議論は、実証的データに基づく説得力があり、「音楽のデジタル移行への過渡期」としての現代の日本社会における音楽文化のありかたを、芸術史、音楽史とは異なる、メディア学的、社会科学的見地から論じたものとして、すぐれた研究成果をあげた。 |
キーワード1 | 定額制音楽配信サービス |
キーワード2 | 音楽業界 |
キーワード3 | 音楽聴取 |
キーワード4 | 大学生 |
キーワード5 | |
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