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学科 メディア学科
年度 2016
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル ドリンク剤のテレビCMにみるジェンダー表現の変化
内容 1962年に初めて登場したドリンク剤は2000年に市場規模2289億円の巨大市場となり、今や男女を問わず、そして年齢をも問わず幅広く愛される飲料となった。そのドリンク剤のテレビCMと言えば働く男性や男性スポーツ選手が多く起用されており、女性は「働く夫を支える妻」として描かれることが多かった。しかし最近ではNMB48の山本彩さんをはじめとして、女性タレントがイメージキャラクターを務めたり、スーツを着用してオフィスで働く女性が主人公として描かれたりするCMを数多く見かけるようになり、以前のドリンク剤のCMと現在のそれとでは描かれ方に大きな違いがあるように感じた。実際、ドリンク剤の登場から現在に至るまでに、世界的に女性の社会進出が進んでおり働く女性のドリンク剤需要が高まったのは確かである。本論では、いくつかのドリンク剤のテレビCM の映像分析を通して働く女性の描かれ方の違いなどを考察する。
講評 佐伯ゼミ2017年度生は、音楽、映画、テレビCM等の視聴覚的な媒体を、社会的背景との関わりから論じ、社会的データ、独自のアンケート調査の結果分析に、映像分析、言語情報の表象分析、言説分析を加え、多彩な方法論を駆使して、修士論文と同等の優秀な成果があがった。質的分析、量的分析の双方を駆使するのが佐伯ゼミ卒業論文の特徴であり、評論と論文の違いも、大学教育にふさわしいレベルで正確に指導した成果である。
本論文は、音楽を聴く行為が、レコードの購入からCD、さらにデジタル配信サービスへとメディア環境の変化とともに変容していく過程を考察し、最新の定額性音楽配信サービスが、旧媒体にかわって音楽聴取の主流になりえるか否かについて、文献調査とアンケート調査の方法論を融合して論じたものである。同世代のオーディエンスに行った独自のアンケート調査と、日本レコード協会、日本生産性本部等の外部機関の調査結果を総合的に考察し、音楽を「聴く」サービスとしての音楽配信サービスは今後主流になり得るものの、音楽を「所有」する喜びを与える意味でのレコードやCDの社会的意味は消滅しないであろうと結論づけた。受け手がどのような動機づけによって音楽を享受するかによって、“モノ”か情報かのすみわけがなされるという議論は、実証的データに基づく説得力があり、「音楽のデジタル移行への過渡期」としての現代の日本社会における音楽文化のありかたを、芸術史、音楽史とは異なる、メディア学的、社会科学的見地から論じたものとして、すぐれた研究成果をあげた。
キーワード1 ドリンク剤
キーワード2 テレビCM
キーワード3 ジェンダー
キーワード4 リポビタンD
キーワード5 リゲイン
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